2026年センバツに登場する「ドラ1位」を狙える逸材 “6人の実名”

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ボールの質が素晴らしい

 コメントにある「春の関東大会」とは初戦の叡明戦のことだ。リリーフで登板した菰田は、ストレートのみで8者連続三振を奪う圧巻の投球を披露した。今大会では、万全の体調で、叡明戦のインパクトを上回る快投を見せてくれることを期待したい。

 織田、菰田に続く実力派の右腕は、大阪桐蔭の吉岡貫介だ。1学年上に、森陽樹(2025年オリックス2位)、中野大虎(ENEOS入社予定)ら好投手がいた影響で実績は乏しい。とはいえ、公式戦デビューとなった昨年夏の星翔戦で1回を無失点、3奪三振と圧巻の投球を見せ、最速153キロ(筆者のスピードガンによる計測)をマークした。

 昨秋からは背番号1を背負い、近畿大会出場をかけた大阪大会準決勝の金光大阪戦では、被安打2、14奪三振で無四球、完封勝利を収めている。身長174cmと体は小柄な部類に入るが、強靭な下半身と力強い腕の振りが抜群で、NPB球団のスカウトからの評価が高い。

「スピードはもちろん、ボールの質が素晴らしい。バッターが狙っていても、なかなか前に打球が飛びません。それだけ打者の手元でホップするボールなのだと思います。日によって少し制球が乱れることはありますが、好調な時の投球を見れば、誰が見ても高い評価を与えるレベルの投手ですね」(近畿地区担当スカウト)

 左投手では、沖縄尚学の末吉良丞、智弁学園の杉本真滉が双璧をなしている。末吉は1年秋から不動のエースとなり、昨夏の甲子園で獅子奮迅の活躍によって、チームを優勝に導いた。

ドラフトの目玉となる可能性は十分

 U-18W杯でも2年生で唯一代表メンバーに選ばれ、優勝した米国を相手に見事な投球を見せた。高校生とは思えないたくましい下半身を生かした安定したフォームが持ち味だ。140キロ台中盤のストレートと多彩な変化球を巧みに操り、制球力が高い。昨秋は夏の疲労もあってわずかな登板に終わった。今大会での完全復調に期待される。

 杉本は、1年生で出場した夏の甲子園で早くも先発を任された本格派左腕。昨秋はイニング数を大きく上回る三振を奪い、近畿大会準優勝に大きな役割を果たした。バランスが良く、躍動感があふれるフォームから投げ込まれるストレートは145キロを超える。左投手らしいボールの角度も申し分ない。

 変化球の球種は多くないものの、腕を振って投げ込むスライダーで空振りを奪う。細かい制球力と、イニングごとの調子の波が大きい点が課題だが、それが改善されれば貴重な左腕だけにかなり高く評価されることになるだろう。

 野手で1位を狙える選手としては、九州国際大付の外野手、牟礼翔を挙げたい。入学直後から外野のレギュラーに定着すると、1年夏、2年夏の福岡大会ではいずれも2本のホームランを放っている。

 昨秋は厳しいマークを受ける中で、九州大会では4試合で打率.400、1本塁打を含む長打5本を記録した。初の全国の舞台となった昨年11月の明治神宮大会では、初戦の山梨学院戦でホームランを放ち、チームを初優勝に導いた。

「私は1年生のときに牟礼を初めて見ました。高校野球に低反発の金属バットが導入されたばかりで、他のバッターがなかなか長打を出せないなか、軽々とホームランを打っていて驚きました。彼は遠くへ飛ばすコツをよく知っているように見えます。強引に引っ張るのではなくセンターに打てることも魅力です。まだ少し腕だけでバットを振っている時がありますけど、下半身を使えるようになれば、もっと怖い打者になれるでしょう」(九州地区担当スカウト)

 牟礼のような右のスラッガータイプはプロから高く評価されることが多い。大舞台で実力を発揮すれば、ドラフトの目玉となる可能性が十分ありそうだ。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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