浅野忠信、堺雅人、長澤まさみ、岡田准一、蒼井優…話題の俳優たちが人生と向き合う「雪と共に生きる人々の映画」5選【冬の映画案内】

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南極では何を食べているのか

〇「南極料理人」(2009年)

 南極が舞台の映画というと、昭和の大ヒット作「南極物語」(1983年)を思い浮かべる。しかし本作は同じ南極でも、観測隊員たちのオフビートな日常生活の物語だ。

 ドームふじ基地は平均気温マイナス50度で、ペンギンはおろかウイルスさえ発生しない場所。そこでは8人の隊員が共同生活を送っていて、西村(堺雅人)は食事の担当だ。

 まつ毛を真っ白に凍らせて、雪の平原で作業をする隊員たち。昼食ができると、皆懸命に走って帰ってくる。メニューは、おにぎりと豚汁だ。ほかほかの温かさが伝わり何とも美味しそうに見える。大好物のラーメンが底をつき、ひどく落ち込む気象学者(きたろう)や、巨大な伊勢海老をどうしてもフライにしろと言う隊員。ここでは食べることが楽しみであり、執着心がとても強い。

 思わず笑ってしまう日常は食事以外にもある。「1分740円、使いすぎは身の破滅」の貼り紙がある公衆電話。最年少の兄やん(高良健吾)は彼女に頻繁にかけている。結局振られて、雪が降る中「渋谷とか行きてえ」と嘆く。やけになったように裸で野球をやり「マイナス70℃」と書かれた看板を前に記念写真を撮る隊員たち。南極料理人をしていた西村淳氏の体験なのでとてもリアルだ。

 大事な人と長い間離れていると愛おしくなるものだ。西村はいつも厳しいことを言う娘の、抜けた歯を持ち歩いている。

 やがて任期が終わり、空港で家族に迎えられる隊員たちを見て気がついた。この作品はかけがえのない人を、想うことの大切さを描いたものだ。

山岳救助の人々

〇「岳-ガク-」(2011年)

 冬山登山のシーズンになると、遭難者のニュースを耳にする。救助隊の様子が中継されることもあるが、彼らはどんな人たちで、どんな活動をしているのだろうか。

 北アルプスで山岳救助のボランティアをしている島崎三歩(小栗旬)。警察署山岳遭難救助隊に配属された椎名久美(長澤まさみ)は三歩に指導を受けていたが、遭難者を救うことができずに自信を無くしていく。そんな時、猛吹雪の山で多重遭難が発生した。救助に向かった久美を待ち受けていたのは、想像を絶する雪山の脅威だった……。

 最大の見どころは久美が遭難者と共にクレバスに落ちてしまうところだ。救助に駆けつけた三歩は、雪の中に埋もれている久美の息が止まっていることに気づき、必死に蘇生させようとする……。猛吹雪が吹きつける中の救助は、息をのむほどの迫力だ。

 撮影は奥穂高岳を中心に、標高3000メートル級の日本アルプス各地で行われた。いずれも危険が多い雪山登山の撮影だ。小栗は真冬の山岳トレーニングでスキルを身につけ、予定のなかった「アイスクライミング」や「懸垂下降」のシーンが追加されたという。

 小栗と長澤は、「ロボコン」(2003年)以来8年ぶりの共演だった。当時小栗は20歳で、長澤は15歳。長澤は「(その頃は)頼りになる年上の男性という印象でした。今回は、見守ってくれている感じがとても心地よかった」(「シネマトゥデイ」2011年5月2日)と語っている。

 2人には長年の「山仲間」のような、強い絆があるのだろう。

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