元TBS小倉弘子アナ、フリー転身の現実 「YouTubeらしさが分からない」手探りの半年と悩んだ「安全装置」
「miraiA」のキャスター
TBSの顔として長年活躍したフリーアナウンサーの小倉弘子さん(51)。現在は主にYouTubeのニュースメディア「miraiA」のキャスターとして活動する。テレビからネットメディアへの転身は、多くの試行錯誤を伴うものだったという。TBS退社から1年。小倉さんは今、何を感じているのか。(全3回の第1回)
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【写真】当時から「美少女」…小学、ジャージ姿の高校時代、大学時代、社会人2年目の小倉弘子さん
――フリーアナウンサーになって初めての仕事がYouTubeチャンネルだったとお聞きしました。
「退局してすぐにSNSを開設して『お仕事の依頼はこちらまで』って書いたんです。そしたらTBS時代に一緒にお仕事をしたことのあるスタッフさんから、YouTubeチャンネルの司会のオファーをいただきました。何度か打ち合わせを重ねて、夫(元プロサッカー選手の水内猛さん)からも『いいんじゃない』と言ってもらえたのでお引き受けすることになりました」
――始まって半年が過ぎました。
「もう無我夢中の半年間でした。『miraiA』は、政治、経済、文化など幅広い専門家の皆さんに私が視聴者代表として話をお聞きするという番組なんです。番組がスタートした時期がちょうど参院選前でした。ですので、最初は各政党の政治家の皆さんをゲストにお呼びしてそれぞれの考え方から、お人柄までいろんな角度から紹介するように心がけました。
政治の分野に携わるのは久しぶりで、この期間は勉強の毎日でしたね。でも多くの視聴者さんに見ていただくことができて、いいスタートを切れたと思います。その後、作家さんや投資家さんなど様々な分野の方にお話を聞かせていただきました。
ただ、最初の政治家さんのインパクトが強かったせいなのか、話の内容はとても面白いのに数字的なリアクションがちょっと予想とは違ったりして……。じゃあもう一度政治家さんのお話を聞こうとしても、すぐには反応がなかったりしたんです。視聴者が何を求めているのかみたいなところも含めて、スタッフさんと一緒にまだまだ手探りが続いている感じです」
――番組はどのように制作しているのでしょう。
「制作会社さんが番組を作り、私はメインキャスターとして参加しています。ゲストの人選はスタッフさんがリストを出して、私もリクエストを出しながら一緒に決めることもあります。収録はゲストの方のスケジュールに合わせて、制作会社さんのオフィスを使って撮影を行っています」
――YouTubeには慣れましたか。オールドメディアとネットメディアの境界線をどこで引くかみたいなところの葛藤もあるのかなと想像しました。
「正直にお話をすると、まだYouTubeらしさやYouTubeならではといった表現方法みたいなものが、自分の中で分からないのは確かです。今は比較的ラジオに近い感覚でやっていて、人間味のある会話をキャッチボールしながら、本音を引き出せたらいいなと思っています。他のYouTubeを見るとやっぱり刺激が強いのも多いですよね。だけど私にとって刺激というものが必ずしもプラスに捉えきれてないこともあるんです」
――むしろスタイルを変えたくないところもあるのでしょうか。
「今、おっしゃった境界線ですが、私の中では“安全装置”だと思っていて、YouTubeを始めてから何度か安全装置を外す練習をしてきました。ですが、やっぱりどこかでバランスを取ろうとしてしまう自分がいるんです。それが私の個性だと思ったら、あまりそこに注意を払わなくてもいいのかなって思うようになりました」
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