「劣勢の相撲を逆転できる」安青錦、来場所で綱取りに求められる星数は…「周りの力士が相撲を変えない限り独走する」【音羽山親方の初場所総括】
熱海富士は土俵際で冷静になるべきだった
――2回目の優勝決定戦出場となった熱海富士関の相撲はどう見られましたか?
音羽山:熱海富士は、持ち前のパワーで小柄な安青錦を持っていきましたが、もしも土俵際で冷静になって、一旦腰を下ろして押せば、逆転を食らうことはなかった。「土俵際、逆転あるぞ!」ということは頭に入っていなかったのかな?
体は十分です(187センチ、192キロ)。今、熱海富士は192キロなの? 私にはそれ以上体重があるように見えますが(笑)、もう少し相撲の内容を考えて取れば、伸びていく要素はあると思います。
「大関復帰」を目指す霧島の底力
――さて、音羽山部屋の霧島関が、先場所に続いて11勝を挙げましたね!
音羽山:先場所くらいから、体の状態がよくなってきたことが大きいですね。先場所の11勝はかなり自信になっていると思うし、そもそも地力はあるのだから、自信を持っていかないと。彼の場合、「モチベーションの維持が大切」と以前私が言いましたが、今場所関脇の地位での11勝は、春場所のモチベーションにつながりました。霧島の目標は「大関復帰」です。3月の大阪場所で結果を残せば、その目標がかなり近づいてくるはずです。
――前回、親方が「次期大関候補」に挙げた義ノ富士関。2横綱を破った時は、期待度がかなり高まったのですが……。
音羽山:中盤で黒星が重なって、「あわや負け越しか」とさえ思いましたが、14日目、千秋楽と2連勝してなんとか勝ち越しました。彼も熱海富士と同じで、前に出る勢いというものはすばらしいのですが、ただ前に出るだけじゃダメなんです。冷静になる瞬間が必要なんです。相撲を甘く見ているわけじゃないと思いますが、今場所の中盤戦は、今後のためにいい勉強になったと思いますよ。
天覧相撲には独特の緊張感がある
――中日8日目には、6年ぶりに天皇ご一家が相撲観戦にいらっしゃいました。ところが、この日に限って、横綱、大関全員が黒星。打ち出し後は、ご一家と横綱大関たちがお茶を飲んで懇談するという交流もあったそうですね。
音羽山:勝負ですからね。揃って負けてしまうこともあるわけですよ。残念ですが、仕方ありません。それに、今の横綱、大関は若いので、天覧相撲の経験はないんですね。
私は2007年から5回ほど(2回は横綱としての土俵)天覧相撲を経験しているのですが、独特のムード、緊張感があるんですよ。でも、私の時代は、天皇ご一家とお言葉を交わすなどという機会はありませんでした。正直、「今の横綱大関はいいなぁ~」と思います(笑)。
全員負けたこともあって、なかなか会話が弾まなかったと聞いていますが、陛下がいろいろご質問されたことで、場が和んだそうですね。
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