完璧さより「生々しい人間性」を…佐久間Pが「寄せ集め」で証明した新時代のアイドルとは

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バラバラの経歴

「DRAW▽ME」が多くの人の心をつかんでいる理由は、彼女たちの「不完全さ」にある。一般的なアイドルグループにおいては、オーディションで選ばれた実力のあるメンバーが、プロとしての技術を磨いてデビューを果たす。しかし、「DRAW▽ME」はそういうものではない。

 バラバラの経歴を持つ女性たちがYouTubeチャンネルという場で出会って、ユニットを組むことになった。この「素人っぽさ」「即席ユニット感」は彼女たちの弱みではなく強みである。視聴者が彼女たちの活躍を間近で見守ってきたからこそ、応援したくなる。それぞれがアイドルやモデルとして挫折を味わい、くすぶってきた過去がある。そんな彼女たちの魅力は磨き上げられた完璧さではなく、生々しい人間性にある。

 佐久間はさまざまな企画で彼女たちの人間味の部分に潜む面白さを引き出してきた。そんな6人がユニットとして集まったとき、そこには特殊な一体感が生まれる。彼女たちは単なる寄せ集めではなく、寄せ集めだからこその輝きを放っているのだ。

 2月3日のライブは「一夜限り」と銘打たれているが、ファンからは継続を望む声が高まっている。彼女たちの物語はこれからどこへ向かっていくのか。「DRAW▽ME」の挑戦はまだ始まったばかりだ。

ラリー遠田(らりー・とおだ)
1979年、愛知県名古屋市生まれ。東京大学文学部卒業。テレビ番組制作会社勤務を経て、作家・ライター、お笑い評論家に。テレビ・お笑いに関する取材、執筆、イベント主催など多岐にわたる活動を行っている。お笑いムック『コメ旬』(キネマ旬報社)の編集長を務めた。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり 〈ポスト平成〉のテレビバラエティ論』(イースト新書)、『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)、『松本人志とお笑いとテレビ』(中公新書ラクレ)など著書多数。

デイリー新潮編集部

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