過去のトラブル続出「外国人力士師弟」との“決定的な違い”とは…「安青錦」大躍進で高まる「安治川親方」&「元アイドル女将」の評価 

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女将のサポート

 そんな安治川親方の最強のパートナーが、部屋の女将・(杉野森)絵莉夫人だ。女将も親方に負けず劣らず、異色の経歴を持つ。会社経営者の父を持ち、早稲田大学法学部を卒業したインテリである一方、「白井絵莉」の名前でグラビアアイドルとして活躍し、舞台などにも出演経験がある「才色兼備」の夫人なのだ。

 親方の早稲田での修士論文も、「相撲部屋におけるおかみさんの役割について」。

「部屋の経営に女将さんが如何に重要か、また、力士の心理的サポートや生活全般への支援についても、どれだけ重要かなどが論じられている。さらには、相撲協会が女将さんへの研修を行うことも提言しています」(相撲担当記者)

 戦火を逃れ、異国の地・ウクライナからやってきた安青錦に、日本語やしきたりを学ぶサポートをしたのも、女将だ。

「安青錦は国立ドネスク大学への進学が決まっていたほどの秀才です。日本語の学習スピードは非常に速かった。ただ、細かいニュアンスの徹底や、日本の数多くのしきたりなど、これまでの多くの外国出身力士がぶつかった壁はあり、そこを女将さんがしっかりフォローしている。今場所も優勝後の表彰式で、安青錦が君が代を歌ったり、インタビューの際に四方に礼をしたりしていたのが話題になっていましたが、これも教育の賜物でしょう。ちなみに、絵莉夫人自身、幼少期に海外経験があり、英語、フランス語に堪能で、今はウクライナ語も勉強中だとか」(同)

 さらには、女将はアスリートフードマイスターの資格も持つ。食事の管理も抜かりないのだ。

験かつぎの青マフラー

 昨年九州場所で安青錦が初優勝、大関昇進を遂げたが、部屋を開いてわずか3年でこの実績は、これもまた異例のことである。親方は一昨年、母校・早稲田への恩返しと、稲門相撲会を設立。この2月には、同大相撲部の川副楓馬主将の入門が決まっている。彼は他の部屋からも勧誘された有力力士である。

 今場所は、親方と安青錦の絆も改めて証明された。

「親方は初日の早朝に1人で明治神宮へ必勝祈願にいっています。また、験をかつごうと青いマフラーをして両国に通っていた」(同)。

 一方の安青錦も、12日目から締め込みを青から黒色のものに変えた。かつて師匠が着けていた廻しを譲り受けたのである。

 安青錦にとって来場所は、角聖・双葉山、照国の2人しか成し遂げていない2場所での大関通過、横綱昇進を狙う大切な場所となる。まだ21歳。異例の大躍進の裏に、安治川親方夫妻との出会いがあるのは間違いない。

 関連記事「『誰もとがめられず、抑えが利かなくなった』 8年ぶり日本出身横綱『大の里』が繰り返す“問題行動” 兄弟子に悪質アルハラも」では、その安青錦の綱取りに立ちはだかる先輩横綱・大の里に指摘される「問題行動」について詳述している。未成年の兄弟子に「飲め」と強要した「アルハラ」の中身とは……。

小田義天(おだ・ぎてん) スポーツライター

デイリー新潮編集部

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