みそカツ「矢場とん」の店員がプロ野球選手に! 楽天イーグルス「26歳のオールドルーキー」が高校から始めた野球でプロ入りを果たすまで

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「打たれたら仕方ない」と開き直った

 だが、「負けられないことへの不安もありましたが、『打たれたら仕方ない』くらいの気持ちで、割り切って臨んだ」と振り返るJR東海戦(4対2)では、先発のマウンドに上がった九谷投手は9回2失点の完投勝利。続く東邦ガス戦(9対2)でも、7回からの3イニングを無失点に抑えて、残り1つとなった本戦出場権の獲得に貢献した。

「ここから5連勝して優勝するぞ!」

 6番目の代表を掴んだことに安堵しつつも、本戦の優勝を目指して再び一つになったチームの思いを背負い、九谷投手は本大会が行われた東京ドームのマウンドでも躍動した。

 九谷投手が先発を任された初戦のパナソニック戦で、タイブレークの延長10回に大逆転勝利(7対6)を収めて勢いに乗ったチームは、2回戦でも勝利。準々決勝のJFE東日本戦で、再び先発として登板した九谷投手は、8回1失点の好投を見せ、チームの準決勝進出に貢献。

 以降の2試合はいずれもリリーフとして登板し、計8イニングを1失点。同じ東海地区に属し、予選で敗れている三菱自動車岡崎と顔を合わせた決勝戦では、1点リードを許す6回にマウンドに上がると、4イニングを無失点。逆転した直後の8回裏には3者連続三振を奪い、チームに勢いをつけた。

困っているチームを助けられる存在に

「連戦を投げ抜くためにずっと練習してきたので、その成果が出せたのかなと。最後は『決勝の場所にいられることを楽しむだけだ』と思っていたので、あまり重圧を感じず、粘り強く投げたことが、好結果に結びついたのかなと感じています」

 チームに21年ぶり2度目の黒獅子旗をもたらし、優勝の原動力となった九谷投手は、「一番の目標だった」と話す橋戸賞(最優秀選手賞)も獲得。都市対抗野球での活躍で注目を集めた速球派右腕は、程なく「ドラフト指名候補」として話題を集めるように。

 10月のドラフト会議では、近年は投手陣のやりくりに苦しみ、即戦力投手の補強が急務だった楽天イーグルスが九谷投手6位で指名し、長年の目標としていたプロ野球選手になる夢を実現させた。

「もし、中継ぎとして投げるとしたら、チームが困っているときに、真っ先に名前を挙げてもらえるような選手になるのが目標。この1年間で学ばせていただいた球種の使い方や、駆け引きをさらにレベルアップさせて、開幕を一軍で迎えられるように頑張っていきたいです」

 今年1月の入寮時には、「いつまでも初心を忘れないように」と、矢場とんの公式キャラクター「ぶーちゃん」のぬいぐるみと、王子のティッシュ「ネピア 鼻セレブ」を持参した26歳のオールドルーキーは、感謝の思いと共にプロ野球界での飛躍を目指す。

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