資産家女性を殺害したとされる元社員も… 営業マン100人が詐欺に手を染めた「プルデンシャル生命」の特異な給料事情

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やさぐれていく営業マン

 厳しい競争を勝ち抜く猛者がいる一方、会社を去る営業マンも多いという。

「最初の2年間は各人の経歴を踏まえ、初期補給金という固定給が支払われます。ただし、月を追うごとに減額され、最後は0円になる。それまでに自分が食っていけるだけの顧客数を確保しなくてはいけませんが、経験が浅いゆえに、なかなかハードルが高い。約半分の社員がこの2年間で辞めていきます」(前出の社員)

 何とか辞めずにとどまったとしても、思うような営業成績を上げられず、やさぐれていく営業マンも存在する。プルデンシャルの元社員はこう言う。

「不正に手を染める社員の多くは、成績の良くない営業マンでしょう。そもそも、稼ぐ人間は高度な金融知識を有している場合がほとんどで、悪事を働く必要がありません。例えば、相続対策で生命保険の活用法を指南するなど、真っ当な営業方法で信頼を得られるからです。そうした勉強をしていないにもかかわらず、一攫千金ばかり狙うふらちな社員が欲に溺れ、最後は顧客の金銭に手を付けてしまうのだと思います」

殺人容疑で逮捕された元社員も

 その極め付きは、元社員が殺人容疑などで逮捕された事件。プルデンシャルの営業マンだった男は大阪府高槻市の資産家女性と出会い、退職後に養子縁組を結び、生命保険をかけた末の2021年、彼女を殺害したとされる。相続した預貯金で散財し、ランボルギーニを乗り回した後の22年に逮捕されたが、留置所内で自殺を遂げた。28歳だった最期、所持金は約13万円しか残っていなかった。

「今回の不祥事は、これまでプルデンシャルが不良社員について見て見ぬ振りを続けてきた結果、膿が噴出したということです。営業成績が悪いのに、ベンツに乗るなど派手な暮らしをしている人間を、本来は事前に調査しなくてはいけなかったのです」(前出の元社員)

徹底した出来高制

 外資の生命保険会社は数あれど、プルデンシャルのように全ての営業マンに対して、徹底した出来高制を敷いている会社は珍しいそうだ。他社は多くの場合、固定給とフルコミッション制のいずれかを選択できたり、その中間のような給与体系になっていたりするという。

「不祥事を受けて今後、固定給が保証される給与体系を取り入れていく可能性があります。しかし、日本中から苛烈な競争に挑む人間が集うことが、プルデンシャルの強みです。仮にフルコミッション制がなくなれば、不良社員は減るかもしれませんが、優秀な営業マンは軒並み転職してしまうでしょう」(前出の社員)

 志半ばで夢破れ、闇へと堕ちていく営業マンを根絶できるのか。

週刊新潮 2026年1月29日号掲載

ワイド特集「上を向いて歩こう」より

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