大炎上「探偵!ナイトスクープ」に“視聴者は2度、裏切られたと感じている”…ABCテレビが“演出”を釈明も炎上が収まらない「3つの理由」を識者が指摘

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ヤングケアラーの問題

「Xの『やらせ』という声も当然でしょう。ところがABCテレビは“演出”の説明で乗り切ろうとしているわけです。これはさすがに無理があると思います。“演出”という言葉が炎上を招いた最大の原因だと考えられますが、他にも3つのポイントを挙げることができます。第1のポイントはネット上で盛んなオールドメディア批判です。ネットでテレビは『本当のことを報じず、視聴率のことばかり考えている』と批判されています。『探偵!ナイトスクープ』は報道番組ではなくバラエティー番組だとはいえ、オールドメディア批判は正しいという具体例として取り上げられてしまいました」

 第2のポイントとして井上氏は、「以前からネット上でヤングケアラーを巡る議論は白熱する傾向があり、“論敵”を糾弾するなど激しい投稿も目立っていたのです」と指摘する。

「ABCテレビが炎上した原因として、1月19日に衆院解散が発表され、23日の通常国会冒頭で解散。同じ日の夜に番組が放送されたという時系列も少なからぬ影響を与えていると思います。実はネット上でヤングケアラーの問題は政治的な文脈で議論されることも多いのです。具体的にはリベラル・左派のネットユーザーが『自民党はヤングケアラー対策を全く講じない』と保守政党を批判すれば、保守派のユーザーが『リベラル・左派層は何でも国に頼ろうとする。だからダメなんだ』と反論するという具合です」

「騙された、裏切られた」

 つまりヤングケアラーの問題は、少なくともネット上ではきわめて“センシティブ”――つまり慎重に扱うべき事象なのだと井上氏は言う。

「“取り扱い要注意”のテーマだったにもかかわらず、ABCテレビは『探偵!ナイトスクープ』で取り上げました。このリスクも相当なものがあったわけですが、さらに番組では“演出”を行っていたと釈明したのですから、ネットで批判が殺到するのはある意味で当然だと言えるでしょう。右派も左派も一斉に批判する事態に発展していますし、ネットの発達で『探偵!ナイトスクープ』を見たことがないという層も“参戦”しました」

 第3のポイントとして井上氏は「“演出”の説明で『ナイトスクープに騙された、裏切られた』と感じた視聴者は相当な数に達しているはずです」と言う。

「昨今は非常に世知辛い時代です。そのため“いい話”“感動的な話”を求める人は増える一方です。辛い現実は見たくないというわけです。ところが『探偵!ナイトスクープ』はヤングケアラーというテーマに挑戦し、探偵のせいやさんが男児に『お前はまだ小学生や! 大人になんなよ』と励まして一度は視聴者を感動させました。するとネット上で『依頼者の家庭は、どうも放送内容とは違うらしい』との疑問が殺到しました。『あの感動は嘘だったのか』と視聴者は“最初の裏切り”を覚えたわけです。さらに番組の出発点である依頼文さえ原文を書き替えていたことも判明し、“二度目の裏切り”を味わいました。せっかくの“いい話”が台無しになってしまったわけで、視聴者の怒りは二度の裏切りで倍増どころではありません。『番組に騙された、裏切られた』という視聴者の反発がABCテレビを炎上させているのです」

デイリー新潮編集部

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