「中道は脅威にあらず」の「高市電撃解散総選挙」でファースト・インパクトはどう作用するのか

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無党派層などの流入

 中道の浸透具合についてはどうか。

「官邸側は“もともとそこまで脅威には感じていなかったが予想以上に浸透できていない。特に公明党や創価学会の動きは“ステルス”的なものが多いためもちろん警戒は緩めないが”との見方でした。つまり深刻な脅威というほどの受け止めではない。日本記者クラブでの討論会でも話題に出ましたが、野田佳彦共同代表が辺野古移設や原発政策について“選挙後に結論を出す”と繰り返したことについて“ひとつにまとまれない感”“優柔不断さ”が現れていましたね。官邸もそのあたりは“格好の突っ込みどころ”としてとらえていたようで、実際、効果があったと思います」(同)

 一方、自民の支持率は「微増もしくは横ばい」といったところで推移している。

「この点を踏まえると、高市内閣の高い支持率は野党や無党派層からの流入を受けて成り立っていると見ることができるでしょう。中道がその受け皿になりきれないままなら、無党派層は自民に入れるか棄権に回る人が多くなるのかもしれません」(同)

絶対条件

「そうなると比例票は前回2024年の衆院選を上回る可能性が出てきます。そして自民が前回以上に議席を獲得するにはこれが絶対条件です。小選挙区の、特に都市部では公明党・創価学会の基礎票に支えられて当選してきた自民候補は少なくない。それが離れる、あるいは奪われることを踏まえれば比例票を増やすしかないということです」(同)

 もちろん、学会員がフル稼働し、自民が比例票を数%伸ばした程度では補いきれない「落選ドミノ」が起きるリスクも想定される。中道が伸び悩んでいる現状でも、候補者を一本化して「アンチ自民」の構図を作っている選挙区では、公明・学会票の離散だけで自民候補が逆転される可能性は大いにある。

「そうですね、当然想定されますね。そうならないためには無党派層の取り込みと同時に普段から棄権している層に“比例は自民”としてもらえるか否かでしょう。高市氏の個人的な人気で、普段は投票に行かないような有権者を覚醒させるようなインパクトを演出できるかということになりますね」

逆の「インパクト」も

「ただ、政策面ではほとんどの党が消費減税を訴えるなど、大したインパクトは作れそうにありませんし、今から新しいことを言っても、付け焼刃を批判されるだけ。そうなると、高市氏の個人的なパフォーマンスくらいしか期待できないのですが」(同)

 もちろん逆の「インパクト」が生じる可能性も十分ある。石破茂前首相時代の前回総選挙では、裏金問題で自民党が非公認とした候補の政党支部にも2000万円の活動費を支給していたことが、日本共産党の機関紙である「赤旗」によって報じられたことが強い逆風を招いた。この種の「爆弾」が用意されている可能性は高い。

 超短期の選挙戦だけに、発生するインパクトの方向性は結果を大きく左右しうる。

 内閣支持率の高さを考慮すると、中道など他党を攻めるよりも防御に重点を置いて失点を防ぐ戦略のほうが現実的と言えそうである。

デイリー新潮編集部

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