阪神、日本ハムのお株を奪った“スカウティングと育成” 他球団のスカウトはドラフト会議で「やられた!」と嘆いた

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 昨シーズンは2位に13ゲームの大差をつけてセ・リーグを制した阪神。9月7日の優勝決定は両リーグを通じて史上最速であり、文字通り独走での優勝だった。その要因について球団関係者はこう話している。【西尾典文/野球ライター】

「スカウティングと育成で勝つ」を日ハム以上に実践

「投手についてはここ数年ずっと安定しており、それに加えて中軸の野手が機能したことが大きいですね。近本光司、中野拓夢、森下翔太、佐藤輝明、大山悠輔と1番から5番まで固定できた。ここまで上位打線が変わらずに戦えたのは阪神だけでしょう。そして以前と違うのは主力選手のほぼ全員が生え抜きの選手だということです。外国人も主力ではなく隙間を埋めるくらいの役割です。それだけドラフト戦略が当たっているということですし、しっかり選手を育成できるようになったことも大きいと思います」

 阪神は2003年と2005年にもリーグ優勝を果たしているが、当時の主力はアリアス(2002年加入)、伊良部秀樹、下柳剛、金本知憲(いずれも2003年加入)、シーツ(2005年加入)ら他球団で実績のある選手が非常に多かった。一方で現在のチームで他球団出身の主力選手は大竹耕太郎しかおらず、その大竹も現役ドラフトで獲得した選手である。外国人選手も昨年規定投球回数、規定打席に到達した選手は0人で、これはセ・リーグで阪神のみだ。他球団では日本ハムが「スカウティングと育成で勝つ」というスローガンを掲げているが、それを日本ハム以上に実践しているのは、現在の阪神と言えるだろう。

 では、以前の阪神と比べてスカウティングの現場はどう変わったのだろうか。他球団のスカウトはその変化についてこう話してくれた。

「こういう言い方をすると怒られるかもしれませんが、以前よりも真面目なスカウトの人が増えましたね。(有力選手のいる)アマチュアのチームを回っていても、阪神のスカウトが来ていないというケースは本当に少ないです。それと、高く評価していると思われる選手には担当ではないスカウトも含めて大人数で視察に来ることが多い。なんでもかんでも大勢で見ればよいというものではありませんが、選手には当然、熱心さは伝わります。阪神はファンとマスコミからの注目度も高く、その中で結果を残せる選手を重視している。そういう素養を見極めるためにも多くの“眼”で見ているようですね」

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