「VIVANT」超えの衝撃 日曜劇場「リブート」が視聴率“独走”の理由 鈴木亮平×松ケンら“主演級8人”
ヤンキードラマ
12日に放送されたフジテレビ「ヤンドク!」(月曜9時)の初回は個人5.0%(世帯8.1%)。1月第3週で3位だった。かなり高い数字だ。ヤンキードラマは昔からウケるのである。
暴走族の元リーダーが高校教師になるフジ「GTO」(1998年)は大ヒット作となった。見かけ倒しのヤンキーを描いた「ナンバMG5」(2022年)も人気を得た。
日本人はおおむねヤンキーを敬遠するが、そのドラマは好む。不思議な現象だ。ドラマで描かれるヤンキーたちが大幅にデフォルメされ、正義感の塊となり、義理人情や友情に厚いからだろう。1960~80年代にヤクザ映画が大人気だった構図と似ている。
今回、フジはヤンキー物と医療物を組み合わせた。医療物もドラマの人気ジャンルだから、強力なコンビネーションである。
ただし、ヤンキー物と医療物の融合は至難。水と油のようなものだからである。どちらかを薄めにしなくてはならない。
このドラマの場合、ヤンキー物を優先し、医療物を後回しにしているようだ。そのほうが単純でつくりやすく、なおかつ面白い作品になると踏んだからだろう。
医療物を二の次にしているのは、橋本環奈(26)が演じる主人公・田上湖音波が医者になった経緯などから分かる。湖音波はお台場湾岸医療センターに赴任したばかりの脳神経外科医だ。
湖音波は13年前にオートバイで転倒事故を起こし、瀕死の重傷を負う。それを収容先の岐阜白峰病院の脳神経外科医・中田啓介(向井理)に救われた。それから湖音波は医師を目指す。お台場の病院に招いたのも先に赴任していた中田だ。
事故当時の湖音波はバリバリのヤンキー。「自分、レディースでした」。回想シーンでは特攻服を着ていた。
高校は中退。先輩の脳神経外科医・大友真一(音尾琢真)から「それで、どうやって医師になった?」と問われると、「根性っす」と答えた。トンチンカンな答えだが、「根性」はヤンキーにとって万能である。
湖音波は高卒認定試験(旧大検)に合格し、さらに医大入試に向けて猛勉強を積んだのだろう。だが、合格できたとは思いづらい。面接突破が難しいからだ。
面接は国公立も私立もすべての大学医学部が課す。配点も大きい。国公立は2次試験の約1~2割、私立では40~100点程度。なぜ、面接があるのかというと、医師としての適性、チーム医療への適合性などを見るためである。
面接で落ちる受験生はザラ。普通に考えると、湖音波も合格は無理。返事は「ウス」、謝るときには「サーセン」、感情的になると「たわけ!」と怒鳴るからだ。
それでも医大に合格し、医師免許も得たとする。だが、やはり医療物は二の次になっている。湖音波はカテーテル手術を裸足で行ったからだ。そのほうが「動きやすい」という。いつも裸足なのだそうだ。
だが、カテーテル手術には出血リスクがある。このため、手術前の医師とスタッフは滅菌ガウンや滅菌手袋などで無菌状態をつくる。もしも患者が大量出血したら、湖音波の足は血まみれになりかねない。
医療物としてはラフにつくられているが、それでもいいと思った視聴者が1月19日放送の第2回も観たのだろう。視聴率は個人3.6%(世帯6.1%)だった。個人は初回より1.4ポイント下がった。かなりの下げ幅だ。医療物を期待した人が脱落したのだろう。
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