「岡本和真」「今井達也」の期限ギリギリ契約をまとめた“スゴ腕代理人”…“巨額契約”連発のウラに“吸血鬼”の異名も納得の特殊過ぎる交渉術

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25年オフのFAの主役はボラス氏

 岡本和真(29)がメジャーリーグ・トロントブルージェイズと契約後、国内で初めて公の場に現れたのは去る1月11日の日本記者クラブでの共同会見だった。時折、笑顔を交えながら新天地での抱負を語っていたが、ブルージェイズとの契約合意の一報が知られたのは、1月4日早朝。日本時間の同日午前7時が期日だったため、「あと数時間」で交渉の期限切れとなるところだった。

「岡本と同じポスティングシステムで、埼玉西武ライオンズからアストロズ入りが決まった今井達也(27)も、期日の当日早朝にその一報が飛び込んできました。米球界の評価も高かったので、早々に契約先が決まると思われていましたが」(スポーツ紙記者)

 岡本、今井は米フリーエージェント(以下=FA)市場に出た選手のなかでも上位にランキングされた。米FA市場はランキング上位選手から契約先が決まっていく。岡本たちの交渉の遅延が米FA市場全体の動きを鈍らせたとの見方もあるそうだ。しかし、現地の情報を総合すると、遅延は2人の代理人であるスコット・ボラス氏の“作戦”であり、その“限界”でもあったようだ。

「今井の入団会見が1月5日(現地時間)で、岡本が6日。有名選手の入団会見には代理人も同席するので、アストロズとブルージェイズが連絡を取り合い、日程が被らないようになったと聞いています」(現地記者)

 この25年オフ、米FA市場で「BIG4」と称されていたのは、レッドソックスからカブスへの移籍が決まったアレックス・ブレグマン(31)、コディ・ベリンジャー(30=ヤンキース)、ボー・ビシェット(27=ブルージェイズ)、ドジャースと4年2億4000万ドル(約380億円)で契約合意に至ったと報じられている、カイル・タッカー(29=カブス)。この4人に加え、希望年俸額と球団提示額に1300万ドル(約20億4100万円)の開きがあり、トレード放出論が再燃したタイガースのタリク・スクバル(29)……すべての選手の代理人がボラス氏だ。

「故障続きでエンゼルスが契約解除したアンソニー・レンドン(35)の代理人もボラス氏です。契約がまだ残っていたため、26年の年俸分がどうなるのか。その金額と支払い方法を決める交渉も彼が引き受け、昨年12月は、メッツの主砲だったピート・アロンソ(31)のFAでも時間を割いていました。25年オフのFAの主役はブレグマンやスクバルでもなければ、今井でもありません。代理人のボラス氏です」(前出・同)

 昨年12月のウインターミーティングでも、注目を集めたのはボラス氏だった。ミーティングが始まる2週間ほど前に、5年連続200奪三振をマークしたパドレスのスーパー右腕、ディラン・シース(30)とブルージェイズとの、7年総額2億1000万ドル(約327億6000万円)の大型契約をまとめた。ウインターミーティング前に主役級の大物投手の去就が決まるのは異例なこと。この勢いで一気に米FA市場も動き出すのではないかと思われたが、ボラス氏は“牛歩作戦”に転じた。

「ボラス氏の交渉は独特なんです。球団が意中の選手の代理人に連絡を取り、その球団がクライアントの希望外だったとします。多くの代理人は『会えますが、あまり時間を掛けずに』などと返し、クライアントの意中球団ではないことを暗に伝えます。会わなかったら連絡を入れてきた球団幹部のメンツや、組織内でのマイナス評価にもなりかねません。ボラス氏はそういう配慮をしてくれないというか、手の内を隠したまま交渉に臨んでくると聞いています」(米国人ライター)

 獲得の可能性があるのかどうか分からないので、お互いが探り合ったままで時間ばかりが過ぎてしまう。また、球団側が“誠意”を見せると、ボラス氏は「もっと引き出せる」と思うのか、持ち帰っての検討を要求して返事をはぐらかすそうだ。

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