弁護士に「記憶にないならやったかも」と言われ… “セクハラで降格”の現役社員がフジテレビを訴えていた!

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 日テレのスタッフにハラスメントを行ったとして番組を降板となった国分太一(51)が「答え合わせをしたい」と会見で訴えたのは昨年11月のこと。この様子をフジテレビの清水賢治社長(65)は、どんな思いで見ていたのだろうか。実は、急ぐように処分した現役社員から逆に提訴されていたのだ。

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「記憶にないのであれば……」

 フジテレビと清水社長を相手取った裁判が起きたのは昨年9月。訴えたのは同社副部長のA氏である。要求しているのは1157万円の損害賠償と元の役職(部長)への復帰だ。

「Aさんは事業局でのキャリアが長く、宇津井隆氏(元執行役員で俳優・宇津井健さんの息子)の下で働いていました。バラエティー番組のプロデューサーを務めていたこともあります」(フジテレビ関係者)

 訴状によれば昨年1月、A氏が部長を務めていた部署で新年会が開かれた。その後、午後9時半ごろから個室カラオケで2次会に。A氏も参加したが、途中退席し同11時には帰途に就いたという。A氏にとってはそれだけの出来事だったが、5月になって会社のコンプライアンス窓口から、事実確認を求めるメールが届く。

 1週間後、A氏はヒアリングを受けるために指定された法律事務所に向かう。そこで待っていた弁護士は、新年会で女性に対するセクハラを目撃しなかったか、と聞き始めた。

 しかし、4カ月前のことなので会の一部始終は覚えていない。しかも、途中から質問が変わる。なぜか、A氏もセクハラをしたのではないかと弁護士が追及を始めたのだ。A氏は「記憶にない」と繰り返したが、驚いたのは弁護士の言葉だ。

「記憶にないのであればやったかもしれないですね」

 いきなりセクハラ容疑の当事者になったA氏だが、帰ってから当日の写真や同僚と交わしたメールを見直しているうち、セクハラはなかったと改めて確信する。

背景に“中居問題”

 2カ月後、A氏は人事局長から呼び出しを受けた。弁明の機会があるはずだと、人事局に出向いたA氏に示されたのは「降格処分」。明確な理由は明らかにされず、始末書を出せと言われるだけだった。

〈これ以上何を言っても聞いてくれないだろうという諦めの気持ちもあり、始末書を出すことにした〉(訴状より)

 後で分かったことだが、処分理由は、(1)新年会で部下が行ったセクハラを見逃すような言動を取ったこと。そして、(2)カラオケでA氏がセクハラに準ずる行為を行ったことだという。当時は「中居事件」の真っ最中。港浩一社長(当時)が社内に厳重注意を促した4日後の“出来事”だったことが処分の背景にあった。

 しかし、A氏によると、部下のセクハラについては、カラオケの後の3次会で起きたこと。A氏は事後に知らされ〈いいなあ〉とメールで返信したが、セクハラを容認したものではない。そして自身の「セクハラに準ずる行為」はそもそも存在しない、と反論している。

うつ病を発症

 A氏の降格先は慣れない別部署の副部長。周囲の視線が気になり、うつ病を発症する。その後、弁護士に相談し、会社を提訴するに至った。A氏はカラオケにいた複数の同僚の陳述書も提出して、全面的に争う構えだが、フジテレビに聞くと、

「ご質問いただいた件に関しては、訴訟に関わることですので回答を差し控えさせていただきます。なお、関係者のプライバシーには十分にご配慮ください」(企業広報部)

 一方、A氏の弁護士は、

「1月にもフジ側が陳述書を出してくると思います。それを見て判断したい」

 放送界を席巻するコンプライアンス旋風はやむ気配がない。テレビマンはうっかり仲間とカラオケにも行けない時代なのである。

週刊新潮 2026年1月15日号掲載

ワイド特集「笑って許して」より

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