「高市さんが官邸で心を許しているのは2人だけ」 ブレーン不足の“異常事態”の裏側

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 歴代最長の首相在職日数を誇った安倍晋三氏は、最強のブレーンを抱えていたことで知られる。その安倍氏を師と仰ぐ高市早苗首相(64)はといえば、官邸の執務室で孤独に机へと向かっていて……。

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 若者からは「サナ活」などともてはやされる高市氏は、公務でも絶えず笑みを振りまき好感を得ている。だが、ひとたび官邸の執務室に戻れば、彼女のため息が聞こえてきそうな事態が起こっているというのだ。

「今の高市さんが、官邸で心を許している人物は2人くらいしかいません。これは異常事態ですよ」

 と明かすのは、さる政治部デスクだ。結論から言えば、一人は木原稔官房長官(56)で、もう一人は飯田祐二首席首相秘書官(62)だという。

「各省庁からエース級の官僚が投入される秘書官の中で、首相の執務室へ出入りが許されているのは経産省出身の飯田氏だけ。例えば財務案件なら、財務省から出向した秘書官が、高市首相とのやりとりを直接本省の事務次官に伝える。それを次官が片山さつき財務相(66)へ報告するのが一般的な流れ。ところが、高市さんは飯田氏以外の官邸スタッフを信用しておらず没交渉なのです」(同)

 では、どうしているのか。

「高市さんは直接、片山財務相に連絡をして話をつけてしまう。そして片山さんが事務次官に下ろして、財務省が案件を進める真逆の流れになっています」(同)

 財務省は次官候補・吉野維一郎氏(56)を、秘書官として差し出した。その努力も水泡に帰した格好である。

 優れたトップであればとの条件は付くが、旧来の慣例にとらわれず、首相と大臣のトップダウンで国が良い方向に進むのなら話は早い。ただ、霞が関では“財務省はマシな方”だと揶揄されているんだとか。

外交のブレーンがおらず……

 さる政府関係者によれば、

「最悪なのが外務省です。日中関係の悪化など極めて厳しい国際関係に置かれているにもかかわらず、外務省出向の秘書官はおろか、大臣とのホットラインが構築されていませんでした」

 高市氏は、茂木敏充外務相(70)と密なやりとりができる関係にないそうだ。

「台湾有事を巡る発言で窮地に立った高市氏に、外務省は聞こえの良いことしか言わない事務次官以下、局長や審議官が官邸へ日参しています。わらにもすがりたい高市氏は耳を傾けていますが、日中関係の改善は外務省だけが動いても難しい。中国のみならずトランプ政権にパイプを持つ人物が、米中関係を見極めながら包括的に対応していかないといけない。まさに安倍政権が掲げたスローガンである“地球儀を俯瞰する外交”のセンスが求められる重大な局面で、高市氏は良いブレーンを持っていません」(同)

“総理の分身”

 特命担当の内閣官房参与に就いた今井尚哉氏(67)とも、不協和音が生じているというのだ。

「経産省出身の今井氏は、安倍政権時代に秘書官から首相補佐官に就き“総理の分身”とまで呼ばれた。外務省の枠組みを超えた外交戦略を描き、菅・岸田両政権でも内閣参与を務めてきた自負があります。高市氏も対中政策で今井氏に助けを求めたそうですが、意見が合わず激しい言い合いになってしまったようです。彼からすれば、高市氏は外務省の振り付けに従っている。そうした姿勢を是正しようと忠言したのでしょう」(前出の政府関係者)

 このまま高市氏がリーダーシップを発揮できず、数々の厄介事を片付けられなければ、ツケを払うのはわれわれ国民となってしまうのだ。

週刊新潮 2026年1月15日号掲載

特集「高市首相が挑む『5つの厄介事』」より

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