仲野太賀、Vシネでヤクザ役・父とは大違い…大河「豊臣兄弟!」初回から見せた「哀愁」
戦国青春グラフティの一面も
序盤は戦国青春グラフティの一面もある。別の男との結婚が決まった小一郎の片思いの相手・直(白石聖)とはどうなるのか。直は裕福な士豪・坂井喜左衛門(大倉孝二)の娘。身分差と貧富の差で今の小一郎ではどうにもならない。ただし直も小一郎に気があるようだ。一波乱ありそう。
藤吉郎と寧々(浜辺美波)の恋もある。寧々の父・浅野長勝(宮川一朗太)は織田家の家臣で、なぜか藤吉郎を気に入る。母・ふく(森口瑤子)は理解がある。こちらは本人たち次第だ。
この物語の小一郎は真面目。デビュー20年目で32歳の仲野は実直な役を得意としてきたから、ハマっている。Vシネマでのヤクザ役を十八番としてきた父・中野英雄(61)とは大違い。面白い親子だ。
仲野は日本テレビ「初恋の悪魔」(2022年)の警察事務職員・馬淵悠日やNHK連続テレビ小説「虎に翼」(2024年)の夜間大生・佐田優三などでも真面目。また、仲野にはデビュー間もないころから体に哀愁が染みついている。
どんなに笑っていても奥底に悲しみがある。特に佐田優三がヒロイン・猪爪寅子(伊藤沙莉)を残し、戦地に向かうエピソードは出色だった。背中が泣いていた。
哀愁はいくら稽古を積んでも簡単には出せない。仲野独特の持ち味だ。常に死と隣り合わせになる戦国の物語では存分に生かされるに違いない。
池松壮亮は仲野より3歳年上の35歳。仲野と同じく真面目な好青年役が多かったが、今回は口先八丁の人たらし。
「ワシはみんなから好かれたいんじゃ」
もっとも、池松が演じると、どこか真面目に見える。そこを制作側も狙ったのだろう。だから横川に襲われた小一郎を捨て身で助けたエピソードもすんなり受け入れられた。池松が演じてなかったら、第1回にして藤吉郎は多くの視聴者に嫌われたのではないか。
仲野の小一郎と名バディになりそう。ちなみに2人は私生活でも仲が良い。
第1回の視聴率は個人8.2%(世帯13.5%)。昨年の大河「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」の第1回は個人7.3%(世帯12.6%)だったから、上回った。もっとも、高視聴率大河になるかどうかを現時点で判断するのは早計だろう。
今年は裏番組が精彩を欠いたからだ。日テレ「ウルトラマンDASH2026」が個人7.0%(世帯9.6%)で気を吐いたくらい。既視感のある番組ばかりだった。1か月くらい様子を見ないと視聴率の行方は分からない。
第1回は番宣も多すぎた。元日放送の「歴史探偵」(木曜午後9時)が豊臣を特集したくらいなら理解の範囲内だが、放送開始直前の「ダーウィンが来た!」(日曜午後7時30分)まで新大河とのコラボだったのには驚いた。
受信料の支払いを市民に義務付けている有料放送のNHKが、金を取って見せる番組が連続ドラマ小説や大河の宣伝でいいのか。
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