サブスク全盛の時代になぜ「まんだらけ」は“DVDやVHSの売り場”を維持し続けるのか…責任者が明かす「お客さんがわざわざDVDを買い求める」意外な理由とは

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好きなタイトルはソフトを買って愛蔵したい

 もちろん、最近はマニアであってもサブスクでアニメを見ることがほとんどだ。とはいえ、好きなタイトルはソフトを買って所有するのだという。

「コレクター気質がある方は、好きなタイトルの映像ソフトをきれいに棚に並べ、達成感を満たしたいという要求がありますよね。それに、サブスクで現在配信されているからといって、未来永劫視聴できるとは限らない。万が一、出演者が不祥事を起こせば配信停止となるリスクもあります。でも、DVDを持っていれば左右されません。

 また、『ランボー』や『エイリアン2』のようにいろいろな声優さんが吹き替えを担当している映画の場合、サブスクでは1人の声優さんの声しか聴けないことが多い。コアなファンは全パターンを視聴したいとか、好きな声優さんの吹き替えで見たかったりします。そういったお客さんは、DVDをわざわざ買い求める傾向にあります」

 ほかにも、DVD化するにあたり、様々な事情で声優を変更して新たに撮り直した作品は存在する。その場合、“オリジナルの声”を聴くには、過去に出たLDを買い求めるしかない。そういった特別なソフトはマニアにとって垂涎の的であり、やはりプレミアがついている。

 そして、店内を見て回っていると、ソフトのパッケージはなんて美しいんだろう、と改めて感嘆してしまう。アニメーターや漫画家が描き下ろしたジャケットは魅力的で、ずっと眺めていたくなるし、所有欲を満たしてくれる。これはサブスクでは味わえない感情といえよう。

「特にLDはパッケージのサイズが大きいため、レコードのようにジャケットアートとして買い求める人がたくさんいます。アニメ『カードキャプターさくら』のLDは、原作のCLAMPさんの絵がパッケージに使われ、美しいので圧倒的な人気があります。個人的には、VHSやLDは美しいデザインのソフトが多いと感じますね」

マニアの需要はなくならなかった

 映像を見ることができるなら、画質にこだわらないという人も増えた。なかには映画やアニメを10倍速にして視聴し、友人同士の会話に入れればいいという人が、筆者の周りにもいる。一方で、小さな違いに注目して研究したり、集めたりして楽しむ昔ながらのマニアも確実に存在するし、そうした層がソフトにニーズを見出しているのだ。木村氏が言う。

「Netflixが日本でサービスを展開し始めたときには、映像ソフトはなくなるんじゃないかと思いましたが、マニアのみなさんの需要はなくなりませんでした。まんだらけでは今後もDVDやブルーレイの取り扱いはやめませんし、LDやVHS、CDも買い取っています。サブスクで見られないタイトルは、どこにも負けない金額で買取していますよ」

 この冬、実家の掃除の際に、過去に集めた映像ソフトを探してみてはどうだろう。思わぬお宝が出てくるかもしれない。

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