150キロを投げた元日ハム投手が「司法試験」に一発合格! 日本初の快挙を祝福した“懐かしい仲間”とは

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 引退したアスリートのセカンドキャリアは多岐にわたるが、これほど見事な転身は他にあるまい。東大を出てプロ野球選手となり、引退後に司法試験合格を果たしたのが宮台康平さん(30)である。文武両道を極め尽くした本人に聞くと……。

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「プロ時代のほうがきつかった」

 2025年の司法試験の結果が発表されたのは11月12日。1581人が合格し、合格率は41.20%だった。

「一発で合格できたのでホッとしています。僕は社会人を経ているので、1年でも早く実務に就きたいと思っていました」

 喜びをあらわにする宮台さんは、神奈川県屈指の進学校・湘南高校から東大に進学。野球部時代は最速150キロのストレートを左腕から繰り出し、六大学リーグで6勝。3年時には日米大学野球選手権大会で日本代表に選出されている。

 17年、日本ハムファイターズからドラフト7位指名され、史上6人目の東大卒プロに。異色の経歴が話題を呼んだものの、20年オフには自由契約となり、トライアウトを経てヤクルトに加入。22年オフに引退し、24年4月から東大のロースクールで学んでいた。

「引退した後、1カ月くらいはいろいろな人の話を聞いてセカンドキャリアを考えました。そこで、やはり自分のバックボーンである法律を生かし、自分の名前で仕事をしたいと思い、弁護士を目指すことにしたのです」

 22年末から本格的に勉強を始めたといい、

「試験を受けたのは25年7月なので、時間は2年半ほどしかありませんでした。幸い、学部在学中に大学の理事をしていた方とのご縁で、TMI総合法律事務所に籍を置かせていただきながら週5日、ロースクールに通うことができたのです。授業のない日は自宅で1日10時間勉強していました。朝9時から、時々休憩して寝るまで法律漬け。受験生そのものの生活でしたが、プロ時代のほうがきつかったですね」

ゼロからの再スタート

 もっとも、そこは東大法学部卒。アドバンテージは十分にあったろうが、

「5年間のプロ生活で法律の知識は完全に抜けていたので、ゼロからの再スタートでした。そもそも学部の勉強と司法試験は別物。勉強中に『昔、習ったな』と思うことはありましたが、受験に使える知識ではなかったのでアップグレードしなければなりませんでした」

 実際の論文試験では、

「例えば刑法なら『甲が乙に対して何かの行為をした場合、甲の罪責を論じなさい』といった問題に対し、判例や学説を踏まえ、2時間の間にA4用紙4~8枚で論証していく。この対策として、知識を入れ直してアウトプットする作業が必要でしたが、一筋縄ではいきませんでした」

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