「物価高」「円安」で大増税時代へ… 「子ども・子育て支援金」は「実質的な増税」指摘も

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 十干(じっかん)の「丙(ひのえ)」と十二支(じゅうにし)の「午(うま)」が重なる「丙午」の年は、「火」のエネルギーに満ちて活気づくといわれる。ここは心機一転といきたいところだが、景気の話となれば明るい話題に乏しい。止まらない「物価高」「円安」の先には、大増税の足音も聞こえてきて……。

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 高市政権が「総合経済対策」と胸を張る20兆円規模の補正予算に加えて、自民党税調からはNISA拡充や住宅ローン減税を含む「税制大綱」が示された。

 同時期に日銀は追加の利上げを決めたが円安是正には至らず。一部の富裕層には恩恵があっても住宅ローンを抱える家庭は戦々恐々。日経平均株価が5万円超えを記録しても多くの人には実感がないままだろう。

「株価が高い水準なのは、外国人投資家の存在と、大企業が自社株を山のように買っているからです」

 そう話すのは、経済ジャーナリストの荻原博子氏だ。

「ソフトバンクグループ株に象徴されるように、東証も自社株買いを推奨してきました。株価が上がらないと時の政権も明るいイメージになりませんよね。だから政府はやたらとNISAの制度も拡充し、子供から大人まで国民みんなに株を買わせようとしている。そう疑ってしまうほど実体経済は良くありません。2025年の倒産件数は12年ぶりの1万件超えで、自己破産は7万6000件超とこれも12年ぶりの高水準。実質賃金は10カ月連続で下がっています」

 おまけに食料や日用品の多くを輸入に頼る日本は、円安の影響で物価高が止まらない。いつになったらわれわれの懐は温まるのか。

政府の“増税圧力”

「今後の物価を考える上で“最大の鍵”となるのは、人件費だと思います」

 とは、ファイナンシャルリサーチ代表の深野康彦氏。

「暫定税率の見直しでガソリン価格は下がりつつあり、燃料コストの負担が減れば食料品の原材料費や輸送費も安くなる。電気・ガス料金も政府の支援策や原油価格低下で落ち着くので、物価は沈静化する方へ向かっています。他方で政府は中小企業の賃上げを後押しする方向へと政策の軸足を移しました。人件費高騰の影響が商品の価格に反映されてしまえば、物価高は続く可能性が高いでしょう」

 人件費の中で上昇が目立つのは、正社員よりもパートやアルバイトなど非正規労働者の賃金だという。

「人手が集まらないので、企業は補助的な人材で穴埋めをしている。それが続けば、今後も時給は大幅にアップし続けます」(同)

 さらなる家計への懸念材料として政府の“増税圧力”を指摘するのは、税理士で立正大学元教授の浦野広明氏だ。

「26年は防衛費がGDP比2%を超えて、今後も引き上げが議論される見込みです。最大の焦点は財源をどうやって捻出するか。新年度からは、『子ども・子育て支援金』や、『たばこ税』の増税など、国民の新たな負担増が決まっています」

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