「ベネズエラ作戦」断行でも岩盤支持層に批判されるトランプ氏 支持率上昇を阻み続けるのは山積した「米国内の問題」

国際

  • ブックマーク

マドゥロ氏拘束「支持」は約3割

 支持率の低下に悩むトランプ米大統領は1月3日、米国への麻薬密輸のボスとみなすベネズエラのマドゥロ大統領を拘束し米国に移送するという離れ業をなし遂げたが、政治的な成果は得られなかった。

 ロイターが5日に公表した世論調査結果によれば、マドゥロ氏の拘束を支持する割合は33%にとどまる一方、72%がベネズエラに過度に関与することを懸念している。

 トランプ氏の支持層も同様だ。ロイターは3日、岩盤支持層であるMAGA派の一部が、「トランプ氏は米国第一(MAGA)主義から逸脱」と批判していることを報じた。

 トランプ氏は昨年1月の就任演説で、外国との紛争に関与しないと誓った。だが、それ以降、ノーベル平和賞を獲得したいという意向を公にして、ウクライナやパレスチナ自治区ガザなどの紛争を終結させるために尽力した。

 そして今回のベネズエラへの作戦は、トランプ氏にとって外国に対する最も攻撃的な軍事行動であり、トランプ氏はネオコン(ネオコンサバティブ)化したと報じられているほどだ。

倒産、雇用なき成長…問題は山積

 トランプ氏の悩みの種はまだある。ブルームバーグは2025年12月30日、不法移民の強制送還の取り組みについて、トランプ支持派内で甘いという批判が出ていると報じた。

 無党派層の支持も減少する一方だ。トランプ関税とインフレによる消費心理の悪化で、米企業の昨年の倒産件数は金融危機直後の2010年以降で最多となった。S&Pグローバルマーケットは、2025年11月までに破産申請した企業は少なくとも717社との調査結果を明らかにしている。

 企業倒産の増加は製造業や建設業、輸送業などで顕著で、皮肉にもトランプ氏が生き返らせると強調してきた分野が中心だった。トランプ関税は自爆だったと揶揄する声が聞こえてくる。

“雇用なき成長”の構図が強まってきたのも頭の痛い問題だ。

 昨年第3四半期の実質国内総生産(GDP)は前期比4.3%増と2年ぶりの高い伸びとなったが、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長によれば、同時期の非農業部門の就業者数はほとんど増加しなかった。

 AI関連投資を中心に生産が急拡大したが、雇用の増加につながらなかったのが要因だ。2000年代初頭も雇用なき回復と呼ばれる現象が生じたが、今回は当時と異なり、製造業や物流、サービスなど幅広い産業に影響が及んでいる。

 国民が体感するのはGDPではなく、物価や賃金だ。トランプ政権がGDPの成長を誇っても支持率の回復は望めないだろう。

次ページ:建国250周年で試みる「目くらまし」

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。