「報復四球を受けたのに笑顔で…」 大谷翔平2025年の名場面を「全試合現地観戦」した芸人が振り返る 「謙虚なだけでなく、MLBの価値観を塗り替えようとしている」

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 打っては球団新記録の55本塁打、投げては62奪三振という驚異の活躍で2025年、ドジャースを球団史上初のワールドシリーズ2連覇に導いた大谷翔平(31)。栄光に至るまでのその全試合を現地で観戦したという奇特な芸人が選んだ、名場面と印象に残った姿とは。

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「大谷がいれば、来シーズン3連覇もいけます!」

 そう力を込めるのは、オオタニならぬ芸人の「ミニタニ」(49)。身長159センチ。22年から大谷の全試合をその目で見た異色の男だ。

 野茂英雄投手の姿に感銘を受け、06年に渡米したという彼。その後、ダルビッシュ有のモノマネ「ミニビッシュ」などをやっていたが、

「45歳のとき、エンゼルス所属だった大谷選手のお面をかぶって球場に行ったら、現地のメディアやファンに面白がってもらえまして。ミニタニを自称するうち、試合前中継番組に呼ばれたり、23年3月には始球式に呼ばれて大谷の前で球を投げたりもしたんです。本物と違って、僕が投げても球場は全然盛り上がりませんでしたけどね」

ワールドシリーズは4試合で100万円かかった

 全戦制覇の野望を抱いたのは、次々に記録を打ち立てる本家に倣い、自身も頂に立ちたいと考えたからだ。

「大谷の試合を全て現地観戦したら面白いんじゃないかと思ったんです。誰もやったことがないですよね。ユーチューブが注目されていたこともあり、22年から全試合を現地で見て動画を配信しています。それを丸4年続けているんです」

 全試合となると、かかる費用もメジャー級。

「ロスに住んでいるので、ホームで観る分にはまだいいのですが、チケット代が高騰するワールドシリーズ、とくに敵地での試合に行くのはしんどかった。トロントでの4戦で100万円ほどもかかりました」

 ドジャースはそもそも人気球団。しかも、

「25年は2連覇がかかっていたため、立ち見でも20万円の値です。これに飛行機代や宿代もありますからね。この1年で179試合観て、450万円は費やしています。チケット代や渡航費は、一番多い月で80万円ほどになるユーチューブの収益で賄ってますけれど、観戦費用がかかるので結局、収支はトントンくらいです」

荒れ狂うカーショウの隣に座り……

 心血も金銭も注いで大谷を追う彼に、25年で印象に残ったシーンを聞くと、

「たくさんありますが、5月にダイヤモンドバックス戦で放った12号ホームランは鮮烈でした。11対11で迎えた9回表、3ランホームランを放ってチームを見事勝利に導いた。大谷は両手を翼のように広げてベースを悠然と駆けていきました。稀有(けう)な存在でユニコーンの異名を取る大谷が、まさしくユニコーンになり切りファンを喜ばせた瞬間です」

 2カ月後、プレー以外でもこんな一面を。

「ドジャース一筋の伝説的なベテラン投手であるクレイトン・カーショウが、7月のブルワーズ戦で自軍の守備のミスが続いて4回5安打3失点で降板したんです。ベンチで彼はモノを投げて荒れ狂い、誰も近寄れなかった。そこへ大谷がスッと来て、少し間隔を空けて隣に座ったんです。カーショウは何も言わず隣に座る大谷を見て落ち着いたようで“荒れて悪かった”的な仕草をしていました」

 この二人、過去には確執がささやかれたこともあった。

「17年の大谷の移籍交渉では、ドジャースも名乗りを上げ、カーショウも大谷との面談に参加した。結婚記念日なのに自宅のあるテキサス州ダラスから2000キロも離れたロスまで来たんです。でも、大谷が選んだのはエンゼルスでした」

 カーショウとしてはメンツをつぶされた格好で、

「実際、大谷がドジャースに入団した直後は、練習中も二人の間に距離があるように見えました。そんな相手とも大谷は、実に見事な関係を構築したわけです」

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