声優のファン同士が“フラスタ”の豪華さを競う狂騒状態に…アニメの原作を手がけた漫画家に、フラスタ用のイラストを依頼する驚きの行動も

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公式の漫画家にイラストを依頼するファン

 同じ対象を推す複数のサークルが、フラスタの豪華さを競い合うようになった事例は実際にある。「豪華なフラスタが一種のステータスのようになっているのではないか」と推測するのは、自身の漫画がアニメにもなっている人気漫画家である。フラスタを巡り、ファンからある依頼が来たことがあったと話す。

「私のXのDMに、“フラスタに使うパネルの絵を描いていただけますか”という依頼があったのです。アニメ版の声優さんのライブに贈りたいというのですが、私はその声優さんが出演する作品の原作を手掛けている作家。向こうもわかっていて依頼しているわけですが、さすがに引き受けることはできませんし、丁重にお断りいたしました。

 ファンの間でいくつかのサークルがあり、他に差をつけるためにより豪華なものを出したい。私に依頼があったのも、そんな理由からのようです。実は、提示されたギャラはそんなに悪くなかった(笑)。正直言って漫画の原稿料よりも高いものでした。推し活がここまで発展しているんだなと、驚くとともに不安を覚えました」

推し活は“ほどほど”に楽しもう

 以前、アニメキャラなどのステッカーを貼った車、いわゆる“痛車”を取材したとき、“作者公認”を誇らしげに掲げていたケースがあった。一部のファンの間では“公式に認められている”ことをステータスにしている人がいる。他より目立ちたい、一目置かれたいという心理は、何事においても働くものなのだろう。

 しかし、こうしたファンの虚栄心の発露に巻き込まれる側は、たまったものではない。前出の漫画家が語る。

「もし私がAというサークルの要望に応じて絵を描いたら、おそらくBのサークルにも描かないといけなくなります。最悪、ファンの間でトラブルの火種になる可能性もある。サッカーやプロ野球のファンの間には派閥があるようですが、声優さんやアイドルの間にも生まれているのは、どうかなと思いますね。

 私もファンに対して厳しいことは言いたくありません。ほとんどのファンが健全に推し活を楽しんでくれているのは間違いありません。しかし、一部の人たちが過激になっているのは事実で、見ていて楽しいものではない。ファン同士で仲良く、推し活をしてほしいものですが……」

 フラスタは会場を華やかにしてくれるし、筆者もライブに行くたびに見ていて楽しいものである。何より、ファンの要望に応じる日本の生花店の技術力の高さには感嘆してしまう。魅力的な文化だからこそ、推し活は見栄を張ったり、他と比較するのではなく、ほどほどに楽しみたいものである。

第1回【“推し活”の定番となった「フラワースタンド」で“未払い”が頻発のウラ事情…生花店が明かす悪質な手口「実在する法人名で注文されて…」】では、推し活に熱心なファンが、推しのアイドルや声優などに贈るフラワースタンドを注文した花屋に対し、料金を払わないトラブルが多発している事案について、被害を受けた花屋に取材。その悪質な実態や対処法を紹介する。

ライター・宮原多可志

デイリー新潮編集部

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