“推し活”の定番となった「フラワースタンド」で“未払い”が頻発のウラ事情…生花店が明かす悪質な手口「実在する法人名で注文されて…」

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同様の被害に遭っている同業者も多数

 フラスタの1基の当たりの価格は、使う花やその規模によっても変動するものの、おおよそ2~5万円程度になる。発注者となるファンの要望に生花店は応え、推しのイメージに合った花を選定していく。大きなライブやコンサートがあるときは、生花店に複数件の注文が入ることは珍しくないといい、時には徹夜で作業することもあるそうだ。

「推し活目的のフラスタの注文は、当店だけで月に20~30件ほどあります。現地に設置したら写真を撮って、メールで発注者に送信します。これは当日にコンサートに来ることができない方もいますので、確認のためですね。イベントが終了したら、私どもは再び会場に向かって、スタンドごと回収する流れになります」

 注文主BがSNSで金を集めてA店に製作を依頼し、フラスタを贈ったアイドルは様々である。ファンなのか、愉快犯なのか、それとも最初から金を懐に入れるつもりでファンを装っている人物なのか。その実態は、はっきりとはわからない。

 いずれにせよ、今回取材した生花店は既に警察に被害届を提出している。しかし、民間の金銭トラブルに警察がどこまで介入してくれるかは未知数で、民事訴訟を起こすにしても時間や費用がかかる。そのため、「実態としては、数万円ほどの被害であれば泣き寝入りをしている同業者も多いのではないか」と、店主が言う。

フラスタ文化の衰退が危惧される

 フラスタは一種の芸術品だ。ファンの要望も事細かに及ぶが、特に重要なのはメンバーカラーに当たる“色”なのだそうである。

「ピンクでも薄めよりも濃い目がいいとか、紫と青が混じった感じがいいとか。全体の形をハート形にしたいとか、バルーンを付けたいとか、とにかく様々な要望があります。なかには、デッサンを描いて送ってくる方もいます。まさに、花屋の技量とセンスが試されるものといえます。

 メールのやりとりだけでも結構な時間を要し、1基作るだけでも本当に大変です。それでも、私たちはファンのみなさんの思いに応えたいとがんばってきました。が、こうした事態が起こると経営的にも大打撃ですし、この問題がエスカレートすることで、フラスタを贈る文化が衰退してしまったら残念です」

 生花店側はこうした被害に遭わないために、どのような防衛策を講じるべきなのだろうか。店主が言う。

「お付き合いのある法人はこれまで通りの請求書のスタイルで大丈夫なのですが、新規で注文いただく法人とのやりとりは、今後、気を付けていかないといけないと思っています。私たちは、贈った方も、贈られた方も笑顔になるフラスタを作っていきたい。だからこそ、今後こういったことは二度と起きないでほしいと強く思います」

第2回【声優のファン同士が“フラスタ”の豪華さを競う狂騒状態に…アニメの原作を手がけた漫画家に、フラスタ用のイラストを依頼する驚きの行動も】では、フラワースタンド(通称フラスタ)を巡り、声優ファンの間でその豪華さを競うあまり、“一線を超えた”事態にまで陥っているという実態を報告している。

ライター・宮原多可志

デイリー新潮編集部

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