【実録・昭和の「離婚」相談所】「愛人ができた」から「あなたのすべてが嫌い」まで…赤裸々すぎる実例から始まる温故知新
嫌なことを辛抱する必要はない
離婚を望む愛人以外の理由を見ても、夫婦関係に生じがちな問題はどこか既視感がある。
たとえば、「愛幸センター」によって20年以上の結婚生活に終止符を打ったY子さんの場合。商社マンだった5歳年上の夫と別れた原因は〈「特にこれというものがない」「長い間の不満が積もり積もったということで、あくまでこちらの感情の問題」〉と証言した。
慰謝料は100万円。高校卒業後に就職した一人娘を引き取り、自身も事務員として働き始めた。経済的には楽ではないが、〈「一回だけの自分の人生ですから、嫌なことを辛抱する必要はないと思います」〉と明言している。
もう1つ、M子さんの場合。夫は一部上場企業を定年まで勤め上げたエリート会社員である。
〈「夫は魚の骨を取って母親の口に入れてやるような孝行息子。今でいうマザコンなんですよ。それでいてサイフの紐はガッチリ自分で握る。10年前に母親が亡くなり、少し変わるかと思ったけれど……」〉
定年退職後、夫は友人の経営する貿易会社に入り、東南アジア赴任が決まる。そこでM子さんは離婚の決意を固めた。2人の娘は結婚しており心配はない。夫の単身赴任で別居生活が始まり、一時帰国した際に離婚が成立。土地と家をもらい、慰謝料は1000万円。自身のピアノ教室で生活費は十分まかなえるという。
あなたのすべてが嫌いだ
さまざまな離婚のドラマを見ていた「愛幸センター」のコーディネーターにも、さすがに驚いたケースがあるという。
〈「一番驚いたのは、30歳の女性の依頼でした。夫は33歳の普通のサラリーマンで、給料もちゃんと入れるし、酒飲みでもない。何の問題もない人なんです。が、“何となく嫌いになった”というんです。で、2人を立ち会わせると、その女性が“あなたのすべてが嫌いだ”と、鬱積させてきたものをヒステリックに吐き出した。夫は初めて見る妻の姿に、これでは無駄だと悟ったんでしょう。結局、判を押してくれましたが……」〉
まるで令和の話を聞いている気分になるが、42年前の話である。
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