「非核三原則を見直すべき」 前首相補佐官が提言… 元陸上幕僚長も「中国の核弾頭数が1500発に達する」「核の議論を行わずわが国を守れるのか」

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【前後編の後編/前編からの続き】

 朝日新聞が他社に先駆けて報じた、官邸筋・A氏による“核保有発言”は、米国や中国でも取り上げられる騒ぎとなり、野党側からはこの幹部の更迭を求める声が相次いでいる。一方、日本の安全保障環境が厳しさを増す中、核保有発言は「過激な意見ではない」と擁護する専門家の声も。

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 前編では、オフレコだったはずの「核保有発言」を朝日新聞が真っ先に報じたウラ事情について報じた。

 石破茂前首相(68)に話を聞くと、

「私自身は“核保有”の発言を直接、聞いたわけでもないし、何も知らないよ。ただ、オフレコなんて世の中にあるとは思っていないからね」

 そう自説を述べる。

「“今、喋ったことはオフレコで”と言っても、その日のうちに報道各社の上までメモが回るわけです。喋ったことは外に出るものだと分かってないといけないし、(記者との)信頼関係なんてものはないですよ。“この人なら”というような信頼関係は本当に10年、20年付き合ってやっと分かるもので、(機微に触れる話は)一対一でしか話せません。それでも裏切られることがあります」(同)

「『非核三原則』は何のためにあるのかを考えなければ」

 一方、石破政権で首相補佐官を務めた長島昭久氏(63)は、

「私も首相補佐官時代、記者の方と核の話をオフレコで話をすることがありましたけど、一つも記事にはなっていません。なぜ、今回に限って表沙汰になってしまったのか……。ジャーナリズムにとって良いことなのでしょうか。これでは、われわれは記者の方々と率直な議論はできなくなります」

 と、疑問を呈した上で、こう指摘する。

「核の議論自体を封じることがおかしいんですよ。そもそも『非核三原則』は何のためにあるのかを考えなければなりません。“平和っぽく気持ちよくなる”ためのものではなく、あくまでも国民の命と平和な暮らしを守るための政策なんですから。外部環境がこれほど厳しくなった今、不断に見直していかなければならないはずです」

 岩田清文元陸上幕僚長は“核保有発言騒動”について、次のような見方を示す。

「彼の言っていることは、過激な意見でも何でもない。今、日本を取り巻く安全保障環境は急激に変化しています。北朝鮮は日本を射程に収める核ミサイルを開発し、中国も核戦略の増強を進めています。240発だった中国の核弾頭が、わずか4年で600発まで増えているのです」

 衝撃的な試算がある。米国防総省が2024年12月、公表した中国に関する国防年次報告書によると、中国の核弾頭の数は30年には1000発を超えるというのである。

「別の米国の報告書によれば、35年には中国の核弾頭数が1500発に達するとされています。米国とロシアは約1700発であり、核戦力はほぼ拮抗することになります。このような現実があるにもかかわらず、核についての議論すら行わずに、果たしてわが国を守ることができるのでしょうか。メディアはいつまで、リアリズムを欠いた“空想的平和主義”にとどまるつもりなのでしょうか」(同)

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