「新米5キロ3000円台」の衝撃…迫りくるコメ価格「暴落のXデー」、関係者が危険視する“3つのタイミング”とは?
とにかく、コメは増産させない──鈴木憲和・農林水産大臣は頑ななまでに、その姿勢を崩そうとしない。12月19日に行われた大臣会見では日本有数のコメどころである新潟県を例に挙げ、もし新潟県が需給予測を無視して一方的にコメ増産に踏み切るようなことが起きれば、「国全体の米の生産を、ある種不安定にしていく」と釘を刺した。さらに、21日朝にフジテレビの「日曜報道 THE PRIME」に出演した際は、「自由にコメを作れば価格が暴落する」との主張を改めて繰り返した。
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【写真】コメ価格の高止まりに一石を投じるか…「令和7年産新米の値下げを決定」の文言も勇ましい衝撃の発表文
コメ農家は来年の2026年、コメ増産に踏み切るわけではない。ところが、高騰が叫ばれ続けてきたコメ価格に暴落の「Xデー」が刻々と近づいていると指摘する関係者は少なくないのだ。
例えばアイリスオーヤマのグループ会社「アイリスプラザ」は、12月23日から新米の値下げ販売を行うと発表した。2025年産のブレンド米は5キロ税込み4270円から3980円になり、290円の値下げだという。この値下げが全国のコメ販売価格に影響を与えるかに注目が集まる。
担当記者は「いつかコメ価格は暴落するという声は多く、そのXデーについてコメ関係者は3つの可能性を予測しています」と言う。
「その前に、まずコメの価格を確認しておきましょう。農水省はスーパーにおける平均販売価格を調査していますが、全体の平均価格やブレンド米の平均価格より、銘柄米の平均価格のほうが都市部に住む消費者の実感に近いでしょう。農水省によると、11月3日から9日までの週に銘柄米は5キロ4573円と近年の最高値に達しました。最新の12月8日から14日までの週は4513円ですから、銘柄米の価格は高止りしていることが分かります。実際、都心部のスーパーでは5キロ5000円代の銘柄米しか置かれていない状況が続いていました。ところが最近、これまで見たことがなかったような5キロ3500円から3800円代のブレンド米が店頭に並ぶことがあり、あっという間に消え去ってしまうのです」
消費者は5キロ4000円から5000円のコメは買わないという意志を鮮明にしている。コメが高いとパンや麺類を“代用品”として購入し、コメの購入量を最小限にして食いつないでいるのだ。
売れない新米
消費者が高止まりしたコメを買わないため、卸業者には売れない新米が“不良在庫”として山のように積み上がっている。
そして「コメ暴落のXデー」と囁かれているのが、「年末年始」、「来年3月」、「来年6月」の3パターンだ。その理由を順に見ていこう。トップバッターは「年末年始」だ。
「年末年始にコメ価格が暴落する可能性があると報じたのは、米どころ・新潟県の地方紙である新潟日報です。同紙の電子版は11月14日、《「投げ売りも出てくるのでは」新米在庫だぶつき、JAや集荷業者から懸念の声…米価下落の見通し強まる》との記事を配信しました。記事によると、コメの集荷業者の中には秋に勃発したコメ争奪戦に参戦するため、短期の融資を受けて過去最高額の価格でコメを集めたところもあったそうです。ところがコメはまったく売れていません。そして短期融資の返済期限は年末が一般的なので、融資金を返すため損を覚悟の上で新米を年末から“投げ売り”する集荷業者が現れるのではないか、と新潟日報は伝えたのです」(同・記者)
「来年3月」と予測する関係者が多いのは、卸売り業者が決算を迎えるからだ。
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