進化を続ける「猫カレンダー」 可愛いだけじゃない…大胆アングル、マッチョ共演、ワイルド路線で「犬」より人気?

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タマまで愛して

 猫のカレンダーには、変わったアングルやおかしな顔をテーマにした商品が多い。猫の新聞、「日刊ニャンダイ」には2020年からの大ヒット作「開運!!にゃんたまωカレンダー」なるシリーズがある。“にゃんたまω”とは、もちろんオス猫の局部のことだ。そこが可愛いとされ、クローズアップされてカレンダー化するなど、ほかの生物ではありえないが……。

「はい。猫のパーツやあまり見ないポーズ、変なアングルが猫好きの方にも刺さっているのだと思います。猫の魅力を再発見していただいているのかなと」(前出・竹淵さん)

 よそゆきのおすまし顔から、局部アップまでと幅広い――多彩なラインナップも猫カレンダーの特徴と言えよう。

「猫の多面的な魅力が、それぞれのカレンダーで表現されているからではないでしょうか」

 とは前出・宮田さん。自社商品をもとに使用例を紹介してくれた。

「切り口が異なるカレンダーを部屋ごとに飾っているファンの方もいらっしゃいます。例えば、寝室には子猫の愛らしさを堪能できる『キャッツコレクション』。リビングには、海外猫の暮らしぶりが分かる、スタイリッシュな『世界の自由猫カレンダー』。面白かわいい姿を捉えた投稿写真による『猫まる週めくりカレンダー』はトイレに……などなどです」(同前)

 もはや日付は見ていないのでは?と思えるほど。その猫愛、強火過ぎる……。

筋肉と猫

 猫好きとして、猫のためにできることをしたい……そんな思いを持つ人には、猫カレンダーの売り上げの一部が動物保護団体に寄付される「チャリティーカレンダー」を推したい。

 なかでもちょっぴり刺激的なチャリティーカレンダーとして世界的に有名なのが、オーストラリアの「消防士カレンダー」だ。現役消防士が、寄付のために文字通り一肌脱ぎ、自慢のマッチョボディで寄付を募る、肌色の多いカレンダーだ。

 1993年のスタート当初、火災で火傷を負った子どもを治療するなど、やけど治療の病院への寄付から始まったこの取り組みは、現在では動物保護、がん治療、災害復興支援へと支援先を広げ、350万ドルの寄付の実績がある。そしてこのカレンダーのもう一つの目玉として「マッチョ消防士と動物のコラボ」がある。

 ご当地アニマルであるコアラを中心にした「様々な動物たちと消防士」にはじまり、ロマンあふれる「馬と消防士」、フレンドリーな「犬と消防士」。そしてこの人気シリーズに「猫と消防士」ももちろんラインナップされている。ラブリーな猫とマッチョ消防士とのマッチングは違和感しかない。広い肩の上に猫、大きな手のひらに猫、ムキムキの大胸筋の上に猫……。

 オーストラリア消防士カレンダーのディレクター、デヴィッド・ロジャースさんに聞いた。

「猫と消防士のコラボが始まったのは2018年だよ。前年に犬と消防士のコラボを始めたので、ごく自然な流れだった。猫と消防士のコラボについては、アメリカの人気テレビ番組ケリー・クラークソン・ショーでも取り上げられているよ」

 オーストラリアの消防士たちは、アメリカのパサデナで毎年開催されているキャットコン(猫の祭典)にも参加し、保護猫の里親探しにも協力している。さらにビッグニュースとして……。

「来年(2026年)には、カレンダーのパブリシティのために日本に行く予定だから、ボクらと猫が好きなみんな! 待っていてね!」(ロジャースさん)

 オーストラリアから猫大好きなマッチョ消防士がやってくる! いずれは日本でブーム中のワル猫、野良猫とのコラボもあり得るかもしれない。来年以降も猫カレンダー界隈が盛り上がることは間違いなしである。

取材・文/ガンガーラ田津美

デイリー新潮編集部

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