『イクサガミ』が大ヒット 岡田准一が“千葉真一の後継者”といわれる理由 「アクションが得意というだけではない」
ネットフリックスで配信中のアクション時代劇「イクサガミ」が、世界的なヒットとなっている。手がけたのは、アイドルグループ「V6」の元メンバーで俳優の岡田准一(45)。故・千葉真一さん(享年82)や真田広之(65)といった名優たちの後継者だと絶賛する声も聞こえてくるが、その理由とは。
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【貴重なシーン】超有名俳優たちを直接指導! 岡田准一の“アクションプランナー”としての顔
「どの千葉さんですか?」
「一緒に何かやりましょう。頑張っていますね」
突然、こう電話をかけてきたのは、2021年に新型コロナウイルス感染症で亡くなる直前の、千葉さん本人だったという。
岡田がこの連絡を受けた時、相手は最初に「千葉です」とだけ述べた。そこで、つい「どの千葉さんですか?」と聞いてしまったそうだ。すると、千葉さんは「真一です」と返してきた。ようやく状況を理解した岡田は、すぐさま「はい!」と答え、そこから直立不動で話を聞いたという。
アクション俳優として国際的な人気を誇った千葉さんから、岡田は熱いラブコールを受けるほど認められていたという話である。
さる映画会社の関係者によれば、
「二人は、単にアクションが得意な者同士といった関係ではありません。新渡戸稲造の著書『武士道』や宮本武蔵の兵法書『五輪書』などの愛読書も、共通していた。岡田は亡き千葉の精神性を受け継ぐ、稀有(けう)な役者だといえるでしょう」
“長回し”のカメラワーク
そんな岡田が主演を務めるドラマ「イクサガミ」は先月13日に配信されるや否や、日本国内のランキングで1位を獲得。英語以外の言語で制作された作品を対象にした世界ランキングでも、1位となる快挙を達成した。
「同作品は、今村翔吾氏(41)による同名の時代小説を映像化したものです。明治初期を舞台に、落ちぶれて困窮した元武士たちが、賞金を巡ってバトルロワイヤルを繰り広げます。岡田は主演のみならず、プロデューサーとアクションプランナーを合わせた“三役”をこなしている。殺陣や古武術、ジークンドー、ブラジリアン柔術の腕前を生かし、自らの世界観を追求しているのです」(前出の映画会社関係者)
こだわったのは“長回し”のカメラワーク。例えば、第1話の冒頭シーンは約2分間、カットがないまま進行。岡田扮する元武士が土煙を上げて、戊辰戦争の合戦場を駆け抜け、敵をなぎ倒していく。
「岡田は得意のアクションを軸に、セットも含めた画作りから役者全員の演技指導に至るまで、作品を総合的にプロデュースしています。俳優という枠を超えた活躍は、ハリウッドに進出した真田を彷彿とさせますね。彼もまた、時代劇ドラマ『SHOGUN』で、プロデューサーを務めていたのです」(同)
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