サッカーW杯“要警戒”はチュニジア 世界ランキング40位も「圧倒的な堅守」

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実力に比してランクが上がりにくい

 初戦はオランダ(世界ランキング7位)、第2戦はチュニジア(同40位)、第3戦は欧州プレーオフの勝者(同28~63位)――来夏開催されるサッカーW杯北中米大会グループリーグ(GL)におけるわが国の対戦相手が決まった。ちなみに日本は同18位である。

 最上位ランクのオランダはむろん難敵だ。日本よりランク下位とはいえ欧州プレーオフの面々も侮れない。

 そんな中でチュニジアはどうか。W杯に6度出場しているが、GL突破経験は皆無。日本との過去の戦績は5敗1分で、日本は負けたことがない。

 くみしやすい敵に思えるが、スポーツ紙記者によると、

「アフリカ予選を9勝1分で突破。無敗無失点で圧倒的な堅守を誇ります」

 ランクが低いのは、

「アフリカ勢あるあるです。資金に乏しいので強い国と親善試合が組めない。ゆえに実力に比してランクが上がりにくいのです」

攻め疲れ

 このように警鐘を鳴らされてもいまだに左手でうちわを仰いでいるそこのアナタは“ターンオーバー”という用語をご存じか。

 主力選手の体力温存や疲労回復のために、試合に応じて先発メンバーを大幅に入れ替える作戦である。

「GL突破が難しい弱小国は3戦全てフルメンバーで戦いますが、決勝トーナメントを見据える強豪国は、過密日程に備えてターンオーバーを採用します」

 日本もしかり。本番を想定し、10月のキリンカップでは、10日パラグアイ戦は主力を温存し、14日ブラジル戦はフルメンバーで臨んだ。

 前回カタール大会でも森保監督はターンオーバーを試みた。ドイツ、スペインを撃破した記憶に上書きされているが、格下コスタリカ相手の第2戦は主力を温存。前半スコアレスで、後半に選手を入れ替えるも遅きに失し、0-1で敗れた。

 チュニジア自身も前回大会のGLで、主力を温存した優勝候補フランスを返り討ちにしている。

 しかも今回、

「第1、3戦は米国ダラスで行われますが、第2戦の舞台はメキシコ。移動で体力を消耗します」

 先に述べたように、かの国の守備は堅牢(けんろう)だ。

「日本がボールを支配する時間が長そう。点が入れば楽になりますが、入らないとこれまた攻め疲れする」

 チュニジア戦で主力を温存するのは得策といえなさそうだ。かといって、代案は見つからないのだが。

週刊新潮 2025年12月18日号掲載

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