メッツ残留でも「千賀滉大」に試練? 復活のカギを握る“プロ経験なし”新投手コーチとは
フォークを投げない?
ウィラードコーチの最初の仕事は、千賀と同じく今季不振だったショーン・マナィア(33)を復調させること。マナィアは24年前半、大不振だった。しかし、オーバーハンドだった投球フォームをスリークォーターぎみに変えた途端、持ち球のシンカーが“魔球”となり、同年7月以降の17登板中12回もQS(先発投手が6回を投げて3失点以内に抑える)を記録した。しかし、今季は2勝4敗で、防御率も自身ワーストの5.64に終わった。
「シーズン中に投球フォームを変えるくらいですから、マナィアはウイニングショットの見直しや、変化球の割合を改めさせるウィラードコーチとは話も合うと思います」(前出・現地記者)
千賀との相性はどうだろうか。今季の千賀の球種別の投球割合を見ると、直球が31.5%で被打率が2割7分9厘。代名詞でもあるフォークボールが28.5%で被打率は1割3分。スライダー、シンカー、カットボールなどの持ち球も合わせて比較してみると、1割台の被打率を誇っているのはフォークボールだけだが、直球とフォークボールの平均球速は年々落ちている。対戦打者にフォークボールを見極められるシーンも増えてきた。これまでの「直球とフォークのコンビネーション」の見直しにウィラードコーチが着手するのは間違いないだろう。
「ヘフナー前投手コーチは千賀のメッツ入りが決まった22年オフ、わざわざ自主トレ先まで足を運び、チームの投手事情を伝えました。千賀はその配慮に感激したのでしょう。米メディアの前では何度か、『ヘフナーコーチのおかげ』とコメントしていました」(前出・同)
チーム残留が叶っても代名詞のフォークをウイニングショットで使えなくなるかもしれない。来季は試練の年となりそうだ。
[2/2ページ]

