「“さすがに限界”という秋篠宮さまのメッセージ」 異例の“公的活動を減らすしかない”ご発言の真意

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【前後編の後編/前編からの続き】

 先月30日に60歳となられた秋篠宮さまは、これに先立ち恒例の記者会見に臨まれた。折しも、今年はご成婚35年の節目。会見では、紀子妃をはじめご家族への言及もなされたのだが、一方で「喫緊の課題」については、いつになく踏み込んだお言葉を発せられていた。

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 前編では、秋篠宮ご夫妻の「初孫との面会」が難しい理由について報じた。

 会見でひときわ注目されたのは、以下のくだりであった。

「われわれは、秋篠宮さまが昨年の会見で用いられた『生身の人間』というフレーズについて尋ねました」

 とは、宮内庁担当記者。秋篠宮さまは昨年、皇族数確保に関する与野党協議で議論されている「女性皇族が婚姻後も皇室に残る」案について、「当事者のご意見を聴取する機会が必要とお考えか」と尋ねられた。これに対し、

〈該当する皇族は生身の人間〉

 そう明言され、当事者であられる女性皇族やその親族のお考えを、宮内庁の幹部らは理解しておく必要があると述べられていた。

「佳子さまのお立場を念頭に置かれたご回答であるのは明白でした。幼い頃から『結婚したら皇室を出て一般人になる』ことを前提にお育てになってきたのに、今になって将来がどうなるか分からない、いわば宙ぶらりんの状態が続き、佳子さまは昨年末に30歳を迎えられている。女性皇族の人生を左右しかねない制度変更であるにもかかわらず、ご当人のお考えを踏まえた法制化を検討しようとしない政府に、思うところを述べられたのです」(同)

 そして、今年の会見では、

「われわれが、『その後、状況の変化は』と問うたところ、秋篠宮さまは『何か目に見える変化があったかというと、それはないと思います』。続けて『今後、公的活動の担い手が減ることが想定されるが』との質問には、担い手が減ってきているのは間違いないとされながら、『その状況を変えるのは、今のシステムではできません。いかんともし難いことだと思います』と述べられたのです」(同)

 続けて秋篠宮さまは、

〈やはり、全体的な公的な活動の規模を縮小するしか、今はないのではないかと思います〉

 そう口にされたのだった。

「“さすがに限界”という秋篠宮さまのメッセージ」

 さる宮内庁関係者が言う。

「秋篠宮さまは2年前の会見でも、公的ご活動について『何らかの見直しが必要』と述べられ、また昨年も『活動量を少し抑えるのなら、夫婦単位であれば一人ずつ行くとか、そういう工夫はできるのでは』などと仰っていた。ご活動の見直しは持論でもあったわけですが、今回はそこから一歩踏み込まれ、規模縮小にまで言及なさったのです」

 皇族のご発言としては極めて異例で、

「遅々として進まない国会の議論にしびれを切らした挙げ句、発せられたお言葉だったといえます」(同)

 象徴天皇制に詳しい名古屋大学大学院の河西秀哉准教授は、

「今回の“公的活動を減らすしかない”というご回答は、大変厳しいお言葉だと感じました」

 としながら、

「いつまでたっても議論を進めようとしない政治家、ひいては政府に対する、“これまで通り活動してくださいと言われても、さすがに限界です”という秋篠宮さまのメッセージでしょう。すでに秋篠宮さまは、ご不満を通り越して諦めのお気持ちに達しておられるのではないかと推察します」(同)

次ページ:「女性皇族が皇室に残る案が制度化されたとしても……」

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