優勝「安青錦」は「横綱戦に自信を持っている」…大関昇進でも存在する“弱点”と必要な稽古とは【音羽山親方の九州場所総括】

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安青錦にも「弱点」がある?

――安青錦関は大関として、どのような相撲を取っていけばいいとお考えですか?

音羽山:どんな力士にも弱点はあります。九州場所で安青錦が負けた相手は、平幕・若隆景、義ノ富士、横綱・大の里ですが、立ち合いに変化された若隆景戦は別として、馬力があって立ち合いから一気に押してくるような相手には、体が浮いてしまうことがあります。体重が140キロそこそこですから仕方ない部分はありますが、今後、そうした相手に押されないような稽古をすることでしょうね。

 そして、一番大切なことは、「大関だから、こうじゃなければいけない」「勝たなくちゃいけない」みたいなヘンなプレッシャーを自分自身にかけないこと。自分を追い込まないことだと思いますね。今までどおり、上を目指して、自分の相撲を取ることです。

――早い段階での横綱昇進もあり得るということでしょうか?

音羽山:もちろんです。安青錦が大関昇進伝達式で、「またさらに上を目指して精進いたします」と口上を述べていましたが、もう1つ上(横綱)の地位があるわけです。今年もそうですけど、2026年も安青錦の飛躍の年になることは間違いないでしょうね。

霧島はモチベーション維持の努力を

――楽しみですね! さて、2回目の技能賞を受賞した草野改め義ノ富士関(前頭5枚目)の活躍も目覚ましかったですね!

音羽山:前半戦は6勝1敗と、全勝の大の里に1差で食いついて、10日目には横綱・大の里を一気に押し出して金星をもぎとったのは見事でしたね! この2人は、大学時代にも対戦があったそうですが(大の里・日体大3年、義ノ富士・日大2年)、その時も1歳年下の義ノ富士が勝ったように、横綱といえども、一気に押されるとついつい引いてしまったりするものです。

 183センチ、151キロと、バランスの取れている体型もいい。ただ、負けた相撲を見てみると、馬力にこだわり過ぎるところがあります。それを直して、力の出しどころを見極めることが大切です。来年は次の大関に挑戦する年になると思います。周りの力士(三役、前頭上位)を見ても、彼がそうならなければならないと、私は思っています。

――元大関で音羽山部屋の霧島関(前頭2枚目)が、11勝を挙げて、敢闘賞を受賞。来場所、三役への復帰も濃厚です。特に、後半戦の7連勝が光りましたね!

音羽山:腕を痛めていて、9月の秋場所では関脇、6勝9敗で負け越しました。ただ、体が順調なら、これくらいの成績を残せるんだ、ということが、本人もわかったと思うんです。来場所(26年初場所)も、今場所のような相撲との向き合い方で臨んでほしい。好不調の波はどんな力士にもあると思うのですが、霧島は特に、モチベーションを下げない努力をするべきでしょうね。

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