「雅子さまと兄君を批判」で物議 「秋篠宮殿下」21年前の大波紋「お誕生日会見」を振り返る 【11月30日に還暦】

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 11月30日で秋篠宮殿下は60歳のお誕生日をお迎えになる。今年のお誕生日会見では、還暦を迎えられたご感想、また、今年大学にご入学、成年会見や成年式を行われた悠仁さまについてなどのご質問にお答えになることだろう。

 秋篠宮殿下の会見と言えば、ここ数年、話題となることが少なくない。例えば昨年は、秋篠宮家へのバッシング情報を「いじめと感じる」と述べられ、「国民へのご不満を吐露された」との指摘も出た。一昨年は赤坂御用地内にある宮邸の50億円改築工事を巡って厳しい質問が出たのは記憶に新しいし、それ以前の数年間は、長女・眞子さんと小室圭さんの結婚問題についての質問が相次いだ。もともと次男坊としてやんちゃとも評されてきた秋篠宮殿下だけに、時に率直な物言いをされ、それが波紋を呼ぶことも少なくなかったのである。

 その最たるものが、2004年の「兄君ご夫妻批判」と言われたお誕生日会見だ。その年は皇室にとって激動の一年だった。前年から雅子さま(現・皇后陛下)が体調不良でご静養に入られ、その原因についてさまざまな憶測が広がる中、5月、当時の皇太子殿下(現・天皇陛下)が外国ご訪問を前にした記者会見で、突如、「(皇室の中に)雅子のキャリアや人格を否定する動きがあった」と述べられ、大きな衝撃を生んだ。いわゆる「人格否定発言」である。その後も雅子さまのご静養は続き、混乱は収まる気配を見せなかったが、11月、秋篠宮殿下が39歳のお誕生日会見で「発言の前に陛下と話をすべきだった」などと、「兄君批判」とも取られるお言葉を連発され、宮中を揺るがせたのである。

 21年前の殿下は、果たしてどのようなご発言をされたのか。そしてその真意とは何だったのか。「週刊新潮」では当時、関係者や専門家に取材し考察している。以下、それを再録し、現在、皇位継承順位第1位、そして将来の天皇の父君ともなられる殿下のお人柄を探ってみよう。

(「週刊新潮」2004年12月9日号記事を一部編集の上、再録しました。文中の年齢、肩書き等は2004年当時のものです。すなわち、文中の「皇太子殿下」は現・天皇陛下、「雅子妃殿下」は現・皇后陛下を指し、同じく文中の「天皇陛下」「陛下」は現・上皇陛下のことを指します)

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皇室に激震が

「その発言について、私も少なからず驚いたわけですけれども、陛下も非常に驚かれたというふうに聞いております。(中略)少なくとも記者会見という場所において発言する前に、せめて陛下とその内容について話をして、その上での話であるべきではなかったかと思っております。そこのところは、私としては残念に思います」

 皇室にまたもや激震が走っている。11月30日の報道でご承知の通り、39歳の誕生日を迎えた秋篠宮殿下が記者会見に応じられた。そこで今年5月、皇太子殿下(現・天皇陛下)が「雅子のキャリアや人格を否定するような動きがあった」と話されたことについて、前記のように発言。このご批判が関係者に与えた衝撃は凄まじかった。

「ここまで言われるのか、と正直、驚いた。これまで秋篠宮さまの誕生日会見は2、3段の小さな扱いでしたが、今回は大きくせざるを得ませんでした。“人格否定”会見を行った皇太子殿下と今もなお静養を続けられる雅子妃殿下(現・皇后陛下)に対し、初めて皇室の中から、公式の場で、異を唱える声が出たのですから、当然です」(全国紙社会部デスク)

予期せぬハプニング

 実はこの会見でメディア側が一番聞きたかったのは、紀宮さま(現・黒田清子さん)のご婚約内定についてである。なにしろ、お相手の黒田慶樹さん(39)は秋篠宮殿下の学習院初等科からのご学友。お2人の間をとりもつ愛のキューピッド役を果たしたのが殿下だったからだ。

 そこで記者達は関連質問でこれを尋ね、紀宮さまと黒田さんがどういうお付き合いで親睦を深められたのか、答えを引き出そうとした。が、その前に行われた事前提出による「皇太子発言」に関する質問へのご回答の中で、予期せぬハプニングが起こったわけだ。

「居合わせた記者達は皆、内心、“アチャー、仰ってしまわれたよ”と当惑したんです。思わず顔を見合わせる者もいました」

 と、語るのは取材にあたった宮内庁担当記者。

「補足すると、最初に天皇陛下(現・上皇陛下)とのコミュニケーションの大切さを話されたんです。昨年の会見でも、“陛下を支えるために、円滑な意思疎通が重要である”旨、お話しになられています。で、これを受け、皇太子殿下の方も今年2月の誕生日会見で、“当然のことです”と賛意を示された。それを前提に、秋篠宮殿下は、“ならば、陛下とまず話をするべきなのに、どうして記者会見でいきなりあんなことを言い出したのか”と、苦言を呈したのです」

 秋篠宮殿下の発言は次のように続いた。

「“東宮御所での生活の成り立ちに伴う苦労”……これも私、ちょっとどういう意味なのか、理解できないところがありまして、前に皇太子殿下本人にどういうことなのか、尋ねたことがありました。(中略)例えば、皇太子妃になって、つまり皇室に嫁いで、(中略)普段の生活にも色々人が周りで働いている。近くで生活している空間においても、色々な人が周りにいる。そういう人たちに対する気配りというか、配慮というか、そういうことであったり、なかなか容易に外出することが難しい。そういうことだそうであります」

 皇太子殿下の真意を探るべく、直接、問いただされた事実を明かされたのである。しかも、その答えを披露される際の口調は明らかに否定的なトーンだった。

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