いまや電話をかけてくる人は“礼儀知らず”なのか…「躊躇なく電話できる人、意外と仕事できる説」を考察する

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本気モードの時は電話

 未だに電話に慣れた人が仕事の現場にいる以上、電話はビジネス上のツールとして有用性があるのだ。電話がイヤな人がいるのは分かるが、電話を活用する人がいる以上、このツールは今後も使われ続ける。

 さらに、電話をかける人については「追い込んでくる怖い人」という印象を持ってしまう。これは、その人にとっては重要なブランディングであろう。普段はメールで連絡を取るも、その人が電話をかけてくると「これは本気で何かヤバいんだな」やら「これは怒っているんだな」といったことを瞬時に理解してしまう。

 だからこそ、その人の名前が携帯電話に表示されると身構えてしまうのだが、ベテランの仕事人はそれをよく理解して電話を使っているのではなかろうか。つまり「無難な時はネット経由」「本気モードの時は電話」ということである。

 1985年、NTTのCMでは「カエルコール」というものがあった。これは、夫が仕事を終え、家に帰る前に公衆電話から妻に「今から帰るよ」と伝える行為である。これは現在はウザいと感じられるだろうが、40年前には家族愛を象徴するようなものだったのだ。「生身の人間同士が声で交流する」ということが重視されていた時代、ステレオタイプの「夫は働き妻は家で料理をする」という現在のジェンダー的にはどうかと思うものだろうが、当時はコレが受け入れられていた。

 このCMにしても人間のあり様を描いているわけで、一概に電話を毛嫌いするのもいかがなものかと思うのである。電話嫌いな方も一度使ってみては? 案外便利ですよ。

ネットニュース編集者・中川淳一郎

デイリー新潮編集部

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