発見された女性の遺体には“手首と足首”に縛られた痕跡が… 「歌舞伎町ホテル連続殺人事件」が“昭和のネオン街”を震撼させた夜

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第二の事件

 この事件から約1ケ月後の4月25日――。

 午後10時40分過ぎ、歌舞伎町2丁目のホテルから110番通報が入る。第一事件の現場から、明治通りに向かって直進で5分ほどの場所である。同月7日にオープンしたばかりの4階建て20室。当日は土曜日だったこともあり、満室だった。2階の203号室で、若い女性が死んでいるという。

 新宿署員が向かったところ、女性はベッドの上に頭まで布団をかけられあおむけで倒れており、首にストッキングで絞められた跡があった。年齢は30歳前後、身長は約157センチ。肩まで伸びた髪の毛、足の指にピンク色のペディキュアを付けて、右上前歯が抜けていた。

〈女性は午後九時ごろ、四十歳ぐらいのサラリーマンふうの男とチェックイン。同十時半ごろ、男がフロント前に立っているのに(従業員が)気付き、声をかけると男は「女は後からくる」と言い残し、立ち去った〉(毎日新聞 昭和56年4月26日付)

 後払いの料金6000円が支払われておらず、従業員は部屋に電話を入れたが反応がない。不審に思って部屋を調べたところ、遺体を発見した、というのも前の事件と同じだった。立ち去った男の特徴については、

〈四十歳前後、身長約一メートル六五、小太りで黒地に白のたてジマの背広姿。白っぽい紙袋を持っていた〉(読売新聞 昭和56年4月26日付)

〈四十歳前後で小太りの一見サラリーマン風。スポーツ刈りで、太い黒に細い白のタテじまのスーツ姿で、白っぽい紙袋かカサを持っていたという〉(朝日新聞 同日付)

〈黒と白のタテジマの背広上下、小ぶとり。ホテルを出るとき、紙袋を持っていた〉(毎日新聞 同)

 女性の衣類やハンドバッグが見つかっていないことから、男が持ち去ったと見られたが、その結果、女性の身元の特定が困難を極めることに。捜査本部は似顔絵を作成し、「年齢二十歳前後、身長157センチ、両わきの下に、わきがの整形手術痕があり、上の右前歯と下の左奥歯が欠けているなど、総じて歯並びが悪い」などの特徴を公開して情報を呼び掛けた。しかし、身元の特定に結び付く有力情報は得られなかった。

〈髪はかっ色で、まゆを細くそり、アイシャドーをしていた。遺品は洗面台の上にあった小さな十字架のイヤリングと、玄関にはき残したピンク色のサンダルだけ。(略)殺された女性が(服を全て脱がされ)右手首と右足首、左手首と左足首をそれぞれゆかたの腰ひもで縛られており、犯人は変質者の疑いが出ている〉(朝日新聞 昭和56年4月27日付)

 しかし、その後も捜査は一向に進展しなかった。

【第2回は「“女性3人の首を絞めて殺害”“犯行は週末のみ”…『歌舞伎町ホテル連続殺人事件』の捜査が難航を極めた“昭和の繁華街”ならではの特殊事情」警視庁の威信をかけた大捜査の行方は?】

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