紅白、「K-POP枠」半減 裏で「チケット2万円」公演で荒稼ぎ…NHKのしたたかな新戦略

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興行への“協力”

 NHKとしては海外展開のために、K-POP勢を紅白に取り込む戦略をとってきた。その一方で、ヒット曲がないのに毎年紅白の常連となっている大手事務所所属の高齢歌手が、今年も当たり前のように選ばれている。若者層には疑問だらけのラインナップだろう。

 今年はK-POP勢が押し出されたかっこうだが、NHKとしてはK-POP勢をないがしろにできない事情があるという。それは大掛かりな興行への“協力”だ。

「11月3日に『MUSIC EXPO LIVE 2025』と題した大規模な合同公演が東京ドームで開催され総勢12組が出演。日本からはBE:FIRST、Number_i、HANA、KAWAII LAB.のCUTIE STREET、SWEET STEADY、CANDY TUNE、FRUITS ZIPPER。韓国からはTOMORROW X TOGETHER、ENHYPEN、CORTIS、KiiiKiiiの4組、タイの4EVEも加わりました。アジアのスターを集めたこの公演の主催者にNHKの子会社であるNHKエンタープライズが入っていて、チケット代は税込み2万円。単独公演の場合はだいたい1万5000円ですから、それに比べるとかなりの高額です」(前出の放送ライター)

 実は、「MUSIC EXPO」は昨年まで「NHK MUSIC EXPO」というタイトルでNHKホール(東京・渋谷)にて無料の公開収録が行われ、後日、NHKの各波で放送されていた。それを今年からは会場を東京ドームに格上げして、有料チケットを販売するビジネスに仕上げた。4万人の観客が集まったため、単純に計算すると4万人×2万円で計8億円の売り上げがあったというわけだ。

「『MUSIC EXPO』に出演したTOMORROW X TOGETHERとENHYPEN、そして今年紅白に初出演するaespaは東京ドーム単独公演を行っていますし、うち2組は来年のドームツアーが決まっています。集客力のあるアーティストなので、NHKとしても関係を保ちたいところ。K-POP側もNHK主催の有料公演なら信頼性があるし、かなりの収益も見込める。確かにK-POPの紅白出演枠は減りましたが、同局系音楽番組『Venue101(ベニュー ワン・オー・ワン)』(土曜午後11時)への出演や今回のような大型公演を通して、今後もK-POP勢とはガチな関係を続けていくでしょう」(NHK関係者)

 テレビ離れが進む中、NHKは興行に活路を見出すのか。

デイリー新潮編集部

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