「不甲斐ない成績に終われば、MLBには見向きもされず…」 佐々木麟太郎“ソフトバンク入り”の勝算

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物足りない結果

 今年のドラフト最大のサプライズは「佐々木麟太郎」だった。米スタンフォード大の2年生が1位指名を受けたのだ。それも、ソフトバンク(SB)とDeNAの2球団からである。抽選でSBが交渉権を得た。

 佐々木は、来年2月から6月まで行われる2年次シーズンを同大でプレーするとしている。7月にはMLBドラフトがある。SBの交渉権は7月末まで。MLBでも指名されれば、SBと競合する。

 しかし、高校卒業時にプロ志望届を提出せず、つまり日本球界を一顧だにせず渡米した彼が、翻意してSBに入団するものだろうか。

 その議論の前に、メジャー研究家の友成那智氏に、いくつかの疑問に答えていただいた。というのも、MLBドラフトやアメリカの大学は、日本のそれらと大きく異なるからだ。

 まず、1年次の佐々木の成績はどうだったのか。

「開幕前は“全米野球部新入生ランキング1位”に輝き、クリーンナップを任されるほど期待されましたが、全52試合で打率2割6分9厘、7本塁打と物足りない結果に。とりわけスカウトが視察に群がるサマーリーグは、打率1割7厘、2本塁打という惨状で、途中離脱を余儀なくされました」

有望選手は在学中に指名

 壁は、近くで見るほど高さを実感するものである。“世界屈指の大学に入学したのに、卒業しないなんてもったいない”という意見も聞かれるが、

「MLBドラフトは21歳以上が対象で、一般的に大学3年修了時に資格を得ます。有望選手のほとんどは在学中に指名され、MLB選手となります」

 そして、

「大学は、中退せずとも休学すればいい。シーズンオフに復学して単位を取って卒業する者もいて、球団が学費を払うなど支援してくれることも。引退後に復学する人もいます」

“卒業の先に就職がある”は、わが国の古い価値観でしかない。MLBと名門大は両立できるのだ。

「初年度のドラフトが重要」

 なお、半年“浪人”した佐々木は来年4月に21歳になるので、2年修了時に初めてMLBドラフトの対象となる。そう聞くと、“3年修了時や卒業時にも指名機会があるのでは”との疑問が湧くが、

「遅咲きの選手が指名されることはあるものの、足元を見られて契約金が激減する。対象初年度のドラフトが重要なのです」

 以上を踏まえると、

「来年活躍すればMLBで上位指名が期待できる反面、ふがいない成績に終われば見向きもされないでしょう」

 そうなると、SB入団ががぜん現実味を帯びてくる。

「現地で彼のプレーを視察したというSBも、その可能性が高いと判断して指名したのではないでしょうか」

 勝算あってのサプライズだったのか。いずれにせよ、未来は本人次第。まだ誰も成否を知ることはない。

週刊新潮 2025年11月6日号掲載

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