「選手には超シビア」でも「お気に入り女性記者とはマンツーマンで…」 西武「西口監督」一年目の“評判” 「監督に従わないと使われなくなる」

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寝坊したから3軍に

 西口監督は選手に対し、白黒はっきりとした評価や判断を、スパッと下すタイプの指導者のようだ。西武を取材するスポーツ紙記者は「松井稼頭央前監督と西口監督の起用法は対照的です」と指摘する。

「稼頭央さんは多くの選手にチャンスを与え、競争させる。一方の西口監督は選手をある程度固定して起用しますが、結果が出ていないと判断したら実績のある選手でもスタメンから外す。源田壮亮、外崎修汰はこのケースに当てはまります。打撃不振から抜け出せないと判断し、若手を起用していた。チームの功労者である大ベテランの栗山巧も5月中旬に登録抹消になると、シーズンを終えるまで1軍に上がることはなかった。今のチームに足りないのは厳しさです。西口監督のシビアな姿勢に、チーム内で良い意味での緊張感が生まれたことは間違いありません」

 西口監督が怒り心頭に発した事件がシーズン前に起きたことは、周知の事実だ。三塁のレギュラー候補だった佐藤龍世が3月上旬のオープン戦で遠征中に寝坊。札幌から静岡に飛行機で移動した際に定刻になっても空港に姿を現さず、チームの移動便に乗れなかった。緊張感の欠けた行動に、球団は3軍降格を決断。メディア報道によると、西口文也監督は「寝坊したから3軍に落とした。それだけです。2週間は3軍にいるんじゃないですか」と語気を強めたという。

 佐藤龍は開幕をファームで迎えると、イースタンリーグで41試合出場してリーグトップの打率.324、4本塁打、16打点の好成績をマークしたが1軍から声が掛かることはなく、6月中旬に金銭トレードで中日に移籍した。

異様な光景

 グラウンド外で風紀を乱す行為をしたことに、厳しい姿勢で対応するのは当然と言える。佐藤龍に1軍でチャンスを与えなかった西口監督の判断が、冷酷だとの批判は生じなかった。チームを立て直すには痛みが伴う。ただ、その場合、指揮官には、己を律することが重要になってくる。トップがグラウンドで気が緩んでいるかに見える言動が見えてしまえば、シビアな指導の効果も減じてしまう。その点で、西口監督には気がかりな話もある。西武の若手選手が複雑な表情を浮かべる。

「西武の番記者で20代の女性の方がいるんですけど、監督は練習中に1対1でずっと話し込んでいるんですよね。コーチも“監督に伝えなきゃいけないことがあるんだけど、お取り込み中だからあとで話そう”と苦笑いを浮かべていました。なにを話しているか分からないですけど、ちょっと異様な光景ですよね」

 西武を取材するメディア関係者は懸念を口にする。

「チームの遠征中にも、監督がこの女性記者を、チームスタッフと一緒の食事の席に連れて行こうとしていました。お気に入りなんでしょう。試合前の練習でメディアが集まっていると、この記者がいるかわざわざ確認しに来ますから。練習中に1対1で話し込むのは日常の風景です。西口監督は2軍監督の時もお気に入りの女性記者が別にいましたし、マスコミへの密な対応も監督の仕事の一部。驚きはないですが、周りに見られている意識はもう少し持った方がいいのではないかなと感じますね」

来季の展望は

 来年に向けての戦いはすでに始まっている。今年は抑えで自身初のセーブ王に輝いた平良海馬が先発に再転向することがメディアで報じられた。新人で12本塁打をマークした渡部聖弥も外野から三塁にコンバートする案が検討されているという。ドラフト1位で小島の指名に成功したことで、古賀悠斗は正捕手の地位が安泰とは言えない。

 改革はまだ道半ば。選手の求心力を失わないためにも、就任2年目を迎える西口監督の手腕が問われる。

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