巨人退団 桑田真澄氏が最後まで相容れなかった阿部監督の「昭和式スポ根野球」 「フロントは最後の年を阿部さんの好きにやらせたかったのだろう」

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次は松井秀喜氏で確定か?

 一方、「理論派」として知られる桑田氏は、「根性」では野球はうまくならないという考え方。

「寒い日の朝に練習しても効率が上がらないと早出練習を廃止。早稲田大学大学院でスポーツ科学を学んだ経験を生かし、一人ひとりの選手のウィークポイントを指導者が見極めた上で、自主性を重んじた練習を課すスタイルを貫いてきました。実際、これが奏功し、今季2軍をイースタン・リーグで独走優勝させました」(同)

 そのような功労者がなぜ辞めなければならなかったのか。

「結局、フロントは阿部さんを優先させたのです。桑田さんが2軍にいたら阿部さんはやりにくいだろうと。来年が3年契約の最終年だから、最後くらい好きにやらせてあげようと考えた」(同)

 ただ退団までは望んでいなかったという。

「大事な将来の監督候補であるし、山口寿一オーナーのお気に入りでもある。だから、フロント入りを持ちかけたのですが、自分を否定されたと感情的になってしまった桑田さんを止めることができなかった。先に二岡氏や駒田氏が切られたのを見ていた時点で、フロントに対しても不信感がいっぱいだったのでしょう。なぜ側近ばかりが詰め腹を切らされてトップが責任を取らないのかと」(同)

 巨人では4番経験者かエースしか監督になれない“不文律”がある。球団は来年で終わるかもしれない阿部氏を優先し、結果として貴重な監督候補を潰してしまった。

 球団関係者はフロントが今の体制である限り、桑田氏が監督として戻ってくることは「まずない」と言い切る。

「『長嶋監督との約束』に自ら言及し、意欲を見せていると言われている松井秀喜氏がいるから大丈夫と球団は考えているのかもしれませんが、松井氏は指導者の経験がありません。4年にわたり桑田氏がファームで築き上げてきた『理論派野球』ではなく『スポ根式野球』を選んだ結果は、この先影響するかもしれません」(同)

デイリー新潮編集部

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