ここ数年で「アトピー治療薬」が飛躍的な進化を遂げるも…多くの患者が恩恵を受けられない「驚きの理由」 深刻な“専門医”不足が招く問題の根源とは
患者数は「160万人」
激しい痒みに襲われるアトピー性皮膚炎の患者数は、全国で160万人に上る(2023年、厚労省患者調査)。この他に、通院間隔が長い、市販薬を使用しているなどの軽症者を含めれば200万人を超えるともいう。アトピー性皮膚炎は子供の頃に発症して、成長と共に症状が治まることもあるが、成人後も悩まされる患者は多い。
実際、30代のある女性患者は長年にわたり苦しんだ。
「私は生後すぐに発症して、頭皮から足の裏まで発疹が出る重症患者でした。体中が掻き傷だらけで赤く腫れ上がり、滲出液が出て、体を動かすだけで痛むのです。...

