「女優なのに自己顕示欲が弱い」と伴侶が称した「八千草薫」 死去した7年前、容体急変の直前に遺した言葉とは
背伸びもせず、虚勢も張らない
原田氏が語る。
「最近はずっと自宅と病院を行ったり来たり。彼女が“家に帰りたいわ”なんて言うのを、病院は認めてくださっていた。24日は病院にいて、朝6時に看護師さんが“お加減はいかがですか”と尋ねてくださると、“変わらないわね”と答えたそうです。
が、30分ほどして様子が急変し、私にも連絡が入りました。直接言葉を交わすことは叶いませんでしたが、他に身寄りのない彼女を、なんとか見送ってあげることができました。いつもと変わらぬ穏やかな顔でした」
原田氏は八千草さんと40年来の付き合いになるそうだ。
「背伸びもせず、虚勢も張らない、いつも自然体の女優でした。谷口先生は“女優なのに自己顕示欲が弱い”と言っておられましたが、それが彼女らしい、誰にも真似のできない演技と存在感につながったと思っています。仕事への意欲はまったく衰えず、映画やテレビドラマなどに引き続きお声がけをいただいていて、“出たいわ”なんて前向きなことも言っていました」
最期まで“変わらなかった”女優としての意欲。





