阪神はソフトバンクよりも「日ハムのほうがやりにくかった」と元プロ投手…新庄監督なら恩師「野村克也氏」仕込みの“情報戦”を展開した可能性も
第2回【「ソフトバンクは短期決戦に強い」は本当か? 日本シリーズでは「苦労を重ねたチーム」より「盤石の強さを誇るチーム」のほうが有利と元プロ投手が語る理由】からの続き──。阪神とソフトバンクの日本シリーズは10月25日に初戦が行われる。阪神にとってソフトバンクという相手は、どうなのだろうか。(全3回の第3回)
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担当記者は「率直に言って、よほどコアなソフトバンクファンを除けば、多くの野球ファンは阪神と日ハムで日本シリーズを戦ってほしかったはずです」と指摘する。
「何しろ日ハムの新庄剛志監督は阪神OBでもあります。新庄監督が“古巣”である甲子園に帰り、日本シリーズの指揮を執る姿を見たかったという野球ファンは多いでしょう。また日ハム打線はソフトバンクとのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージで圧倒的な攻撃力を発揮しました。阪神投手陣と日ハム打線の対決も、きっと盛り上がったに違いありません」
野球解説者の前田幸長氏はロッテ、中日、巨人の3球団で投手として活躍。先発、中継ぎ、クローザーの全てを経験した。
解説者としてはニッポン放送や東京スポーツのほか、福岡のKBCラジオにもレギュラー出演しており、ソフトバンク戦を担当している。
そもそも前田氏は福岡県生まれで、福岡第一高校のエースとして甲子園に出場、3年生だった1988年の夏の甲子園でチームは準優勝に輝いた。
前田氏は「阪神にとっては、やはり日ハムのほうがやりにくかったと思います」と言う。
「注目したいのは日本シリーズが始まる前に戦われる“情報戦”です。新庄監督はスポーツメディアの注目度が非常に高いので、もともと発信力が強いわけです。さらに監督自身がパフォーマンスを得意とするので、日本シリーズが始まる前からスポーツ紙を中心に様々な日ハムに関する記事が報じられたでしょう。これは有形無形のプレッシャーとなって阪神を悩ませたに違いありません。一方、ソフトバンクの小久保裕紀監督は情報戦を仕掛けるタイプではないと言えます」
甲子園球場が生む重圧
デイリー新潮が2024年11月に配信した「日本シリーズ惨敗『ソフトバンク』に専門家は『小久保監督の慢心』を指摘…名将・野村克也氏が『短期決戦では常に自分たちが“格下”』と考えていた理由」では、故・野村克也氏の情報戦について、ヤクルトOBの広澤克実氏が証言している。
「野村さんの場合、試合前から日本シリーズは始まっています。記者に怪情報を披露したり、煙幕を張ったりして、全力で情報戦を仕掛けるわけです」
ご存知の方も多いはずだが、新庄監督は“野村チルドレン”の一人だ。師匠に負けない情報戦を仕掛けた可能性がある。
「新庄監督が阪神OBというメリットもあります。とにかく甲子園という球場は独特です。阪神ファンの声援は地鳴りとなって押し寄せ、物理的な震動で体が震えます。甲子園で相手チームが感じるプレッシャーは、他の球場では絶対に経験できないものです。その甲子園を新庄監督は阪神OBとして何もかも知り尽くしています。日ハムの選手にも具体的な対処法を伝えられたに違いありません」
これまで前田氏の解説で、阪神がソフトバンクより有利なポイントを3つ見てきた。
1番目は、ソフトバンクにはここ一番の大勝負でなぜか敗北する“やらかしのDNA”が存在するということ。
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