「女優のイメージを墓場まで背負って去った完璧な人」──命日に読み返す、作家・五木寛之の記憶に残る“名俳優からの手紙”
10月24日、女優・八千草薫さん(1931~2019年)の命日を迎える。
宝塚歌劇団出身で、映画やテレビで活躍し、世代を超えて愛されたその人の姿は今も多くの人々の記憶に残っている。
凛とした佇まいで人々の心に深く刻まれ、女優としてのイメージを貫いた八千草さん。作家・五木寛之さん(93)も、亡き八千草さんから届いた手紙の一行が、今も忘れがたいという。そこにつづられていたのは、変わりゆく日本の気候と、静かに失われていく“日本らしさ”への予感だった。...

