逃がした魚は大きすぎた…“くじ運の悪さ”に泣いた球団の「ドラフト哀史」
ドラフト史上初のくじ引き3連敗
2005年以降、長期にわたってくじ運の悪さに泣かされ続けているのは、オリックスだ。
05年の高校生ドラフトで巨人と競合した1巡目指名の辻内崇伸(大阪桐蔭)の抽選に外れたにもかかわらず、当たったと勘違いした中村勝広GMが歓喜の表情で右手を上げたのが、ケチのつき始めだった。
「中村GMがガッツポーズしているんだから外れたんだなと。でも、おかしいな。オレのに『交渉権確定』って書いてあるけど……」と巨人・堀内恒夫監督がアピールして、“とりかえばや物語”が判明したが、ここから負の連鎖がスタートする。
翌06年は高校生ドラフトで田中将大(駒大苫小牧)を外し、07年は高校生ドラフトで中田翔(大阪桐蔭)、大学・社会人ドラフトで大場翔太(東洋大)と連敗。
10年には6球団競合の大石達也(早大)の抽選に敗れたばかりでなく、ロッテと競合の外れ1位・伊志嶺翔大(東海大)、ヤクルトと競合の外れ外れ1位・山田哲人(履正社)と、ドラフト史上初のくじ引き3連敗を記録してしまう。
阪神監督時代から通算して1位指名の抽選で4連敗、外れ1位抽選も含めて通算1勝6敗(07年の高校生ドラフト外れ1位・高浜卓也に抽選勝ち)という惨憺たる成績の岡田彰布監督は「ここまで何回も重複するとは思ってなかった。情報不足だった。(他球団は)外れ(1位)で分散したのに、あの重なりはどうなんやろ。全然安心してたのにな」とボヤキが止まらなかった。
結果論だが、もし外れ1位で山田を単独指名していれば、後のトリプルスリー男はオリックスのユニホームを着ていたかもしれない。
その後も、2011年に高橋周平(東海大甲府)、12年に藤浪晋太郎(大阪桐蔭)、18年に小園海斗(報徳学園)、19年に石川昂弥(東邦)、20年に佐藤輝明(近大)、そして昨年は西川史礁(青学大)と、「逃した魚は大きかった」の繰り返しに泣いている。
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