10.23ドラフト目玉候補「佐々木麟太郎」 “ノドから手が出るほど欲しい”球団とは?

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 10月23日に開催されるプロ野球ドラフト会議の目玉候補に、米スタンフォード大の佐々木麟太郎内野手(20)の名前が急浮上している。複数の球団が上位候補にリストアップする中、ひときわ獲得に意欲を見せているのが巨人だという。

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スカウト陣が極秘視察

 今年のドラフト会議から適用される新ルールが佐々木取りを過熱させている、と話すのはスポーツ紙の野球担当記者である。

「来年4月に21歳になる佐々木は、同年7月のMLB(メジャーリーグ)ドラフトの指名対象となります。新ルールでは、対象選手は約10カ月前のNPB(日本プロ野球機構)ドラフトでの指名が可能となる。史上最多とされる高校通算140本塁打を記録した“和製大砲”の指名解禁に注目が集まっているのです」

 佐々木は米ドジャースの大谷翔平(31)やエンゼルスに所属する菊池雄星投手(34)と同じ岩手県・花巻東高校出身。卒業後は国内進学やプロ入りを選択せず渡米し、昨年9月に大学に入学した。

「スタンフォード大1年目は52試合に出場し、打率2割6分9厘、7本塁打をマークしたが、来年のメジャー指名の可能性は低いとみられています。その好機を捉え、今年4月に巨人の水野雄仁編成本部長代理など、3球団のスカウト陣がカリフォルニアに足を運んで試合を極秘視察しました」(同)

“絶対に佐々木を取れ”

 セ・リーグのスカウト担当者が明かす。

「現時点で巨人のほか、ヤクルト、西武が上位指名するといわれています。中でも巨人は上層部が直々に“絶対に佐々木を取れ”とハッパをかけているといいます」

 スポーツライターの吉見健明氏が言う。

「巨人の佐々木への関心はいまに始まったことではありません。彼が強打者として話題になる前から巨人のスカウトは花巻東高に通って口説こうとしましたが、彼のメジャー志向を覆すことはできませんでした」

 セCSファーストステージで敗退し、不本意な形でシーズンを終えた裏で、

「今オフにも“不動の4番”岡本和真内野手(29)のメジャー挑戦がささやかれ、かつての主砲・坂本勇人内野手(36)の衰えも隠せない。二人に代わる日本人強打者を喉から手が出るほど欲しがっている状況にあります」(前出の記者)

 そんな巨人の1位指名は、創価大のスラッガー・立石正広内野手(21)が最右翼とみられているが、

「佐々木のスイングスピードの速さは同世代でも群を抜いており、スラッガーとしての資質に疑問符を付ける者はいない。ただ立石と違い、走塁と守備力の不安が常々指摘されていました。ところが2027年からセ・リーグで指名打者(DH)制が導入されることで、それらの課題もクリアできることになります」(同)

「佐々木指名はギャンブルだ」

 さらに阿部慎之助監督(46)が来年で契約満了を迎え、後任候補にOBの松井秀喜氏(51)が有力視されていることも影響しているという。

「巨人は都内・築地市場跡地での新スタジアム建設構想を進めていますが、松井と佐々木を師弟コンビとして演出できれば、集客効果も見込め、構想に弾みがつくとの算段です」(前出の記者)

 問題は、メジャー志向に加え、佐々木が大学卒業を目標に掲げている点だ。

「仮に日本の球団が交渉権を得ても、彼が首を縦に振るかは未知数です。それゆえ指名枠を無駄にするリスクから“佐々木指名はギャンブルだ”と考える球団も多い」(吉見氏)

 さて、巨人はどう出るか。

週刊新潮 2025年10月23日号掲載

ワイド特集「我が世の春」より

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