初入閣「小野田紀美」経済安保相が開けた「脱・公明」というパンドラの箱…故・安倍首相も評価した“新世代の政治手腕”

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 第1回【公明党に“反旗”の自民「小野田紀美氏」が初入閣 “自公連立解消”に先鞭をつけた「岡山のジャンヌ・ダルク」3年前の圧勝劇】からの続き──。自民党の小野田紀美・参議院議員(42)が経済安全保障担当大臣として初入閣を果たした。高市早苗首相(64)が連立の相手として維新を選んだのは、もちろん公明党が離脱したからだ。そして小野田氏は“自公離反”の先駆者としても知られているのをご存知だろうか。(全2回の第2回)

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 小野田氏は2022年7月の参院選で公明党の推薦を受けずに岡山県選挙区で当選を果たし、大きな注目を集めた。あの時、彼女の地元である岡山県で何が起きたのか、デイリー新潮は当時、次のように報じていた。

(以下はデイリー新潮が2022年7月11日に配信した記事の再配信になります。年齢や肩書は当時のものです)

 毎日新聞やNHKは今回の参院選の候補者にアンケート調査を行っているが、これに小野田氏は、「憲法改正賛成」、「憲法9条改正賛成」、「緊急事態条項賛成」、「自衛隊による敵基地攻撃能力の保有賛成」と回答した。

「小野田さんは国会の論戦でも、一貫して保守的なスタンスで発言しています。特に21年の参院予算委では『NHKのスクランブル化を実現すべき』と主張し、ネット上で広範な支持を集めました。もともと小野田さんはネットの活用が巧みということもあり、SNSなどでは同様の意見を持つ保守層が熱烈な応援を繰り広げています」(同・記者)

 遊説中の奈良県・近鉄大和西大寺駅前で凶弾に倒れた安倍晋三元首相も、保守派の雄らしく、小野田氏の応援演説に駆け付けた。それは亡くなる前日の7日だった。故人のツイートをご紹介しよう。

《自民党公認のみで戦い抜く小野田紀美候補。厳しい闘い、彼女の鋼の信念に会場は燃えました。/日本を守り抜く小野田紀美候補に力を!/宜しくお願いします》(7月7日)

公明党との“きしみ”

 読売新聞と産経新聞の記事にも、小野田氏の“政治的信条”が公明党と合わないという記述がある。

《小野田と公明・創価学会の関係には以前から、きしみが生じていた。保守的な信条を持つ小野田は、「公明の安全保障政策や憲法改正を巡るスタンスが不満だった」(自民県議)とされる。地元・岡山出身とはいえ、公募候補でしがらみも少ない》――[注目区を行く・岡山]全国で唯一の事実上「推薦拒否」、自公にきしみ(読売新聞オンライン・7月3日)

《小野田はかねて「公明と一緒では憲法改正できない」と周囲に漏らすほど距離を置いていただけに、渡りに船とばかりに“離縁状”を突きつけた》――【参院選2022 激戦区を歩く】(4)岡山 推薦見送り 自公の亀裂拡大(産経新聞・7月5日朝刊)

 公明党=創価学会に対する反感を隠さない小野田氏に対し、岡山の創価学会幹部は激怒したという。産経新聞の記事から、さらに引用させていただく。

《日ごろから不快感を抱いていた岡山創価学会の幹部は激怒。6年前に小野田が初当選したときは公明票の恩恵を受けた経緯もあるだけに、「これまでの恩を忘れるような言動だ。売られたケンカは買ってやる」と周囲に語り、対決姿勢を鮮明にした》

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