美馬学、原口文仁、森唯斗が現役引退…記録に残る名場面や珍場面 デビュー戦でウグイス嬢に間違えられた選手も

スポーツ 野球

  • ブックマーク

良い野球人生だった

 ところが、そんな矢先、「ピッチャー、柳瀬に代わりまして森福(允彦)!)と思わず耳を疑うようなアナウンスが流れてくるではないか。

 ワンサイドゲームにもかかわらず中継ぎエースを見られると思ったヤフオクドームの地元ファンが歓声を上げて盛り上がったのは言うまでもない。

 真相は、森を森福と聞き間違えたウグイス嬢がうっかり間違えてアナウンスしてしまったことであった。すぐに「ピッチャー、森!」に訂正されたが、「『森福』から『森』なので、球場が静まりかえりましたね」と本人も決まりが悪そうだった。

 晴れのデビュー戦でいきなりケチがついた形になったが、「緊張したけど、思いきり投げられた」と2球で秋山翔吾を二ゴロに打ち取り、ゲームセット。

 同年は58試合に登板し、4勝1敗20ホールド、防御率2.33と頼れるセットアッパーに成長し、リーグ優勝と日本一にも貢献した。

 2018年に最多セーブ投手に輝くなど、ソフトバンク時代に127セーブを記録した“クイーン・オブ・クローザー”は、現役最後の2年間をDeNAで過ごし、9月30日の引退試合であるヤクルト戦では、9回に1イニングを3人で抑え、通算500奪三振もマークした。「良い野球人生だった。今日までプロ野球選手をやってこられて、本当に幸せだった」と語り、完全燃焼してユニホームを脱いだ。

久保田龍雄(くぼた・たつお)
1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。最新著作は『死闘!激突!東都大学野球』(ビジネス社)。

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。