「歌以外に支援できることはないかと考えて…」 子ども食堂で“意外な一面”を見せた「71歳大物歌手」
100人分のおにぎり
紅白歌合戦にも出場した大物歌手が握っているのはマイクではなく、おにぎり。10月4日、埼玉・鶴ヶ島市の子ども食堂での「ちゃんこ鍋交流会」での一コマである。
「まだもらってない子はいますか~?」「は~い」
次々と手を挙げる子供たちにおにぎりを手渡すのは、小林幸子(71)だ。5月に新潟・十日町の田んぼで横綱・豊昇龍(26)らと一緒に田植えをして実った新米のコシヒカリを30キロ寄付し、計100人分以上のおにぎりが、立浪部屋の力士3人が作った特製のちゃんこ鍋と共に振る舞われた。
「子供たちの笑顔で私も元気になれる」
コメ価格は備蓄米の放出で一時下がったが、現在は再び高騰中。特に新米は5キロ5000円台も当たり前となれば、新米30キロの寄付は子ども食堂にとって大助かりのはず。
「コメ作りは商売でやっているわけではありません。被災地の方々やお世話になった方々にお渡しするつもりで作ったものです」
コメ作り歴は20年のベテラン。2004年の中越地震の被災者を支援しようと考えて始めたという。23年からは子ども食堂支援を目的に、大相撲・立浪部屋と協力して田植えや稲刈りを行ってきた。
「芸能生活60周年を迎えた時に、歌以外に支援できることはないかと考えて始めました。歌でも笑顔になるけれど、おいしいものを食べても笑顔になるでしょう? 子供たちの笑顔で私も元気になれる。それがたまらなくうれしくて始めました」
その言葉通り、子供たちの反応は上々。手にしたおにぎりを口にした子供たちからは「おいしぃー!」「さっちゃん、ありがとう」の声が聞こえてきた。








