「向こうが抱きついてきた」「彼氏はオール沖縄の活動家」と告発者を攻撃 “田久保市長よりも悪質”沖縄県南城市「セクハラ市長」の悪あがき1年10カ月を地元記者が解説
往生際の悪い市長といえば女性の顔ばかり浮かんでしまうが、この男性市長もかなりヤバい。自身のセクハラ問題で議会を解散した沖縄県南城市の古謝景春市長(70)である。女性職員らから数々のセクハラの訴えを受けるも、苦しい言い訳を繰り返し、告発者を非難したりの悪あがき。1年10カ月間続いてきた騒ぎを地元記者が解説する。
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【写真】“70歳セクハラ市長”はfacebookが大好き。今井絵理子参院議員とツーショット写真もアップ。〈室に録音機2つ設置してよかった!!〉の「不穏な投稿」も
元朝日のエース記者が放ったスクープだった
「被害を訴えた女性たちが逆に攻撃され、1人が退職、1人は休職に追い込まれる憂き目に遭っています」
古謝景春・南城市長をこう指弾するのは、沖縄の地元紙「琉球新報」編集委員の南彰氏。古謝氏のセクハラ疑惑を最初にスクープし、以降、取材班の女性記者と共に約300本の記事を書いて追及してきた記者である。朝日新聞政治部でエース記者として活躍していた南氏は、23年12月、琉球新報へ移籍するとほぼ同時に古謝氏のセクハラ問題を取り上げ始めた。
「最初に私が記事にしたのは、業務委託契約で市長の運転手をしていた女性の訴えです。女性は2022年11月、市長を自宅まで送り届けた際、胸を掴まれる被害にあったのですが、被害を総務課に訴えたところ、半月でクビにされてしまったのです」
琉球新報の記事が出て注目されると、沖縄県警が本格的な捜査に乗り出し、24年11月、厳重処分の意見書をつけて送検した。女性が被害申告した当初、古謝氏は胸に触れたこと自体は認めていたという。
泣き寝入りしていた女性たちが立ち上がった
「わざとではなく、『肩を叩こうとしたら胸に触れてしまった』という意味不明な言い訳でした。その後、『女性にお金を貸してくれと言われたらこんな騒ぎになった』『女性の方から抱きつかれた』と言いふらしたり、被害者の個人情報を晒すような書き込みや『彼氏がオール沖縄の活動家と情報入ってます』といった事実無根の話もSNSに投稿しました」
だが25年2月、那覇地検は不起訴処分に。この結果に、古謝氏は「やってもないことの事実が証明されて本当にありがたい」と勢いづき、市内に「無罪確定」の横断幕が張り出されたが、これまで泣き寝入りをしてきた他の被害女性たちは黙っていなかった。
市議会が行ったセクハラのアンケート調査(24年4~5月)に、9件もの被害申告があったのだ。その後、設置された第三者委員会には3人の女性職員が名乗り出た。そのうちの一人は市長の出張に随行した女性で、ホテルの部屋に呼び出されてキスされ、ベッドに押し倒されたことがあると訴えた。だが、ここでも古謝氏は見苦しい言い訳を…。
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