なぜ「家系ラーメン」を食べた人は饒舌になるのか？ 誰もが“自己流の食べ方”を発信したくなる「自由度の高さ」という魅力
自由過ぎるラーメン
そして、チェーン系の家系が次々と登場したが、その中に刻みタマネギや酢漬けの刻みショウガを出す店も出た。ウマいのか半信半疑だったが、コレが合うのだ！ 特に刻みタマネギはもはやなくてはならない存在になってしまい、今では店にある場合は必ず入れる。
最近東京にいる時は六本木を拠点としているため、「ラーメン馬場壱家 智の陣」へ行くとき、丁寧な仕事がされたタマネギも当然入れる。ここは麺少な目にするとトッピングを一つつけてくれるなど、すっかり年を取って量が食べられなくなった自分にも優しい店である。
そして、家系が好き過ぎるので東洋水産の「マルちゃんZUBAAAN！ 横浜家系醤油豚骨」を買うようになり、タマネギを入れている。しかし、私の家の近くでは買えないとXで嘆いていたら、地元の車を持っている友人が駅まで持ってきてくれたり、京都の友人が箱で送ってくれたりしている。この自由過ぎるラーメンは、他人の食べ方を否定する気になれず自分の自由な食べ方を「どうです、コレ！ おいしいですよ！」と言えるもの。だからこそ、家系ラーメンをめぐる文章はどこか楽しそうなのではなかろうか。
